建築価格は、どのようにして上がってきたのか

前回のブログでも提示した、建築価格のコストアップのグラフ。なかなかよく出来ていたので、このグラフに何が起きていたのかを書き足してみました。

そのグラフがこちらです。

価格上昇前

このグラフをみると、価格が上がり始めたのは2018年から2019年頃だったのがわかります。

エスホームでも2018年頃までは、坪単価を49.8万円で税込と説明していました。4人家族で住むお家でも、2,000万円以下(税込)で建てられることが出来た時代です。

少しづつ上がり始めた頃に、コロナになりました。

コロナ

世界的なパンデミックとして発生したコロナ。意外にも、コロナによる価格上昇は起きていません。

打ち合わせができないとか、色々ありましたね。私も夏休みの最中にコロナになり、大変な目に遭いました。

ウッドショック

この辺りから、雲行きが怪しくなってきます。2021年3月頃から起き始めたウッドショック。世界的に材木が動かなくなり、価格が一気に上がりました。坪単価で10万円くらいは上がったのではないでしょうか。

当社でも、材木の価格が1棟あたり200〜300万円もの値上がりになり大変な状況になりました。ただ、この辺りまではコストアップは材木くらいだったのです。

ただし、ウッドショックはある程度の期間をすぎておさまりました。価格が少し下がったのです。材木が動き始めたということもあるのでしょう。

材木はもともと輸入物が多いので、為替による変動が今までも大きい性質を持っているのです。

少しは価格が落ち着くか、と思っていた矢先に起こったのが円安です。

円安で一気に

2021年3月に、アメリカ合衆国が金利を上げたために一気に円安になりました。このグラフをみると、そのタイミングで価格が上がっているのがわかります。

下のグラフは、円の為替相場です。

円安の時期とともに、本格的にお家の高性能化がスタートします。世界的に遅れていたお家の性能を世界レベルに上げるために補助金などを今まで以上に出すようになりました。

実は、この高性能化が遅すぎたと言っている方がいます。それが今ご指導をいただいている東京大学の前准教授です。本当は2020年頃には高性能化する予定だったのですが、反対意見もあり遅らせました。

その遅らせたタイミングと円安が重なり、よりコストアップが一気に進んだような現象を起こしています。2020年に性能を上げておけば、今のように一気に上がることはなかったのではないかという考えです。

2024年の円安が少し進んだ段階で、建物のコストが一気に上がっているのがわかります。

多くのメーカーが輸入材料を納入する価格が円安により上がってしまうので、価格を上げ始めました。

この頃からでしょうか、リクシルの担当さんから電話があると「お話があります」と言われ、ほとんど値上げの話になるようになったのは。

全社が一度に値上げするわけではなく、各社が順番で回ってくるように値上げをするようになりました。

確認申請の法律が変わる

2025年4月から確認申請の法律が変わりました。以前に比べ、審査が厳しくなりました。また、補助金を多くもらうために長期優良住宅にする方も増え、より審査機関が忙しくなりました。

以前なら1〜2週間で降りた審査が、今では2〜3ヶ月かかっても珍しくない、そのような時代になっています。

審査を厳しくしてより精度を上げるのは良いことだと思うのですが、それにより多くの住宅着工時期がずれ、大きな混乱となりました。

高性能GX

2025年4月から、補助金を多くもらうのにより高性能を求められるようになりました。

「補助金をもらえるのであれば、性能を高くしよう!」
と思うのは当然のこと。それに伴い価格が上がるのも当然のことです。

それに伴い、長期優良住宅の申請も増え、審査機関が大変なことになっています。

コストが上がるのが少しずれているのは、これらの審査を受けるに時間がかかったからだと思います。

ナフサ・ショック

さて、このグラフにはナフサによるコストアップの分は入っていません。

ざっくりというと、10%くらいのコストアップになることを予想する工務店は少なくないようです。

なにしろ、断熱材は40%UP、建具なども15%UPというような報告がすでに入っています。

戦争が終わって、ナフサが入ってくるようになれば価格も落ち着いてくるのでしょうか。

早く、そんな世界に戻れることを願うばかりです。

これからの家づくりは

こんな事を書いてしまうと、家づくりができなくなってしまいそうですね。

でも、そのようなことはありません。

冷静になって、落ち着いて考えましょう。

家づくりには色々な方法があります。

その家づくりを真剣に考え、アイデアを出していけば必ずあなたの夢は叶います。

新しい家づくりを、始めて行きましょう!

参考資料

建設物価調査会 「建設物価建築費指数」2026年4月分

新建ハウジング