令和6年の税制改正が発表されています。今年は無くなると言われていた税制が延長されていたりしますので、注意しましょう!

令和6年の税制改正大網が発表されています。大体のことは事前に聞いていたので知っていました。新聞なでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところが、昨年で終わると言われていた非課税措置が延長されていたり、いつの間にか話が変わっているところもあるようです。

そこで、宅地建物取引業協会連合会から来た案内がわかりやすいので、その内容をもとにして書いてみます。

ただし、税金の説明は税理士がしなくてはいけないなどという決まりがあります。なので、あくまでも報告と思ってください。また、細かい内容までは書ききれませんので、詳しくは税務署にて確認する事をお勧めします。

住宅ローン控除の借入限度額及び床面積要件の緩和特例の維持

住宅ローンを借りた場合、その金額に応じて支払った分の税金が控除されます。いくら迄控除されるかは、借入金額によって定められています。

2024年度は減るはずだったのですが、建築材料の高騰などにより住宅価格が高騰しているため2024年度に限り一定条件に合う方は前年同様の控除を受けられるようになりました。その条件とは、19歳未満の子供がいる方か、ご夫婦のいずれかが40歳未満の場合です。

一覧にまとめますと、以下のようになります。

 通常特例
長期優良住宅・低炭素住宅4500万円5000万円
ZEH水準省エネ住宅3500万円4500万円
省エネ基準適合住宅3000万円4000万円
その他の住宅3000万円3000万円

来年度からは、通常に戻る予定です。

住宅用家屋の所有権移転登記等に係る登録免許税の特例措置の延長

こちらも、令和9年3月31日まで3年間延長されます。

 本来の税制特例措置
所有権の保存登記0.4%0.15%
所有権の移転登記2.0%0.3%
抵当権の設定登記0.4%0.1%

土地に係る固定資産税・都市計画税の負担調整措置及び条例減額制度の延長

こちらも、令和9年3月31日まで3年間延長されます。

こちらは、土地に係る固定資産税を市町村が引き下げられる措置です。と言うことは、市町村が下げようとしなければ、、、

新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長

こちらは、令和8年3月31日まで2年間延長されます。なぜ、こちらは2年???

戸建ての場合、3年間は税額が半分になります。

不動産取得税に係る各特例措置の延長

住宅及び土地の取得に係る税率の特例措置は、令和9年3月31日まで3年間延長されます。

本来であれば4%ですが、3%になります。

直系尊属から住宅取得資金贈与を受けた場合の非課税措置(贈与税)

私が注目していたのがこの非課税措置です。と言うのも、私も今家づくりをしている途中で父から贈与を受けていたのです。この税制は昨年までとなっていたので適用されるには今年の3月半ばまでに屋根までできていないといけないという期限があり焦っていました。工事が間に合いそうに無いので、昨年税務署にも電話をして確認を取ったのですが「延長はありません。」という回答でした。

ところが、こちらも令和9年3月31日まで3年間延長されます。

ほっ、、、

非課税の限度額は、昨年同様です。

質の高い住宅:1000万円
一般住宅  : 500万円

それにしても、決まったらもっと教えてほしいですね。

既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化リフォームに係る所得税の特例の拡充・延長

タイトルの通りなのですが、以下のようなリフォーム工事を行うと受けられる控除です。

対象工事対象工事限度額最大控除額(対象工事)
耐震250万円25万円
バリアフリー200万円20万円
省エネ250万円(350万円)25万円(35万円)
三世代同居250万円25万円
長期優良住宅化(耐震+省エネ+耐久性)500万円(600万円)50万円(60万円)
長期優良住宅化(耐震or省エネ+耐久性)250万円(350万円)25万円(35万円)
子育て(拡充)250万円25万円

括弧内の金額は、太陽光発電設備を設置する場合です。

こちらは、令和7年12月31日まで延長されます。
上手に利用できると良いですね。

不動産の譲渡に係る印紙税の特例措置

印紙税の特例措置は、2024年3月末で終わる予定でした。これから高くなるぞ!と思っていたら、こちらも延長です。

住宅関係は、印紙税に多くの費用がかかっているのでもっと話題になるのかと思っていたのですが、全くと言っていいほど話題に上りません。このような理由だったのです。

こちらも、令和9年3月31日まで3年間延長されます。

工事請負契約書(要するに住宅の契約書)や、不動産売買契約書(要するに土地の契約書)には印紙を貼らなくてはいけません。それが1000万円超〜5000万円以下までは本来なら2万円なのですが、1万円になります。

この印紙税につきましては、電子契約になると必要なくなります。当社におきましても今年からは電子契約を取り入れられるように準備をしているところです。

省エネ性能等に優れた住宅の普及促進に係る特例措置

認定低炭素住宅になるお家には、登録免許税・不動産取得税・固定資産税が引き下げられます。こちらも延長されました。

登録免許税:令和9年3月31日まで3年間延長
0.15% > 0.1%

と、少し減らすことができます。ただし、これに適合させるための認定低炭素住宅の申請は少し手間と時間がかかります。もう少し広い範囲で許認可をしてくれると良いのですが。

 


 

他にもたくさんあるのですが、この辺りにしておきます。

税金の控除は、申告しなくてはしてくれません。

出来るだけ、利用しましょう!


参考文献:宅地建物取引業協会連合会 令和6年度税制改正大綱のポイント 令和6年1月19日