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下野新聞に掲載されましたね。
ヒートショック対策について。
多分、私が読んでいる資料と同じ物を見ているのでしょう。
私がいつも言っていることと、同じ事を書いています。
気になるのは、
「住環境整備のため、断熱用の2重サッシ工事などを行なった住民に助成している自治体が宇都宮市や鹿沼市など年内に複数ある」
ということ。
確かに、無くはないのですが殆ど役に立っていないのではないでしょうか。
「断熱改修に役にたつような補助金、全国を探しても無いでしょう!」
と思ったあなた、あるのです!!
住宅業界の中で、一番有名な補助金といえばこちら!
「とっとり未来型省エネ住宅特別促進事業補助金」
鳥取が独自に考えた補助金です。
これ、凄いんです!
「とっとり未来型省エネ住宅特別促進事業補助金」
ここで書いている「とっとり」とは「鳥取県」の事です。
なんと、鳥取県では県が独自に基準をつくり、それに補助金を出しているのです。
すごい!
それに、金額もなかなかのもの。
新築の場合、最大で100万円も出ます!
その基準がこちらです。
お家の断熱性能を表しているのが、UA値です。
最近は、このUA値でお家の性能を判断することが多くなりました。
この数字は、よく利用されているHEAT20の5地域(寒さ暑さによって地域が決められています)と同じです。
ちなみに、
宇都宮市や小山市は5地域。
佐野市や足利市は少し暖かくて6地域。
鳥取県の多くは6地域なので、その基準でもいいような気はしますが、厳しい5地域に合わせたようです。
それにしても、日本海の鳥取県は栃木県よりも寒いかと思っていたのですが、ずっと暖かいのですね。
知らなかった。
日本の多くの家は「国の省エネ基準」で作られています。
もちろん、20年前の家に比べれば、ずっと性能は良くなっていると思いますが。
ところが、鳥取県は突っ走りました!
冷暖房を抑えるために必要な最低限レベル
鳥取県が考える、
「冷暖房を抑えるために必要な最低限レベル」
でさえ0.48にしたのです。
確かに、T-G1の0.48は比較的簡単に取れる性能です。
ただし、費用はかかってしまいます。
良くなると分かっていても、実際にやる方は一部。
そこで60万円を出すとしたのでしょう。
このくらい出していただければ、殆ど費用負担がなくて性能を上げられる絶妙な金額です。
その上、値上がりを続けている電気代を下げられます。
利用した方にとって、特になることは間違い無いでしょう。
気密も指定されている!
もう一つ、この基準にあるのが気密です。
気密のおおまかな基準は、国の方でも以前は有ったのですが、今は無くなってしまいました。
これは、ある程度断熱性能を上げたお家は、必然的に気密性能も上がるということが理由のようです。
確かに、この考えは大きく間違ってはいないかと思いますが、疑問符がつくのも確かです。
そこで、気密の基準であるC値を1以下としたのでしょう。
ただ、気密は重要な値なのですが、測定しないと出せない値でもあります。
その分費用がかかってしまう事も忘れてはいけませんね!
金利も優遇される!
この補助金の面白いところは、住宅金融支援機構【フラット35】(令和4年11月1日から)で金利優遇を受けられるようにもしているところです。
少しでも建主の負担を減らそうと考えてくれています。
それにしても、県の職員が住宅金融支援機構に交渉に行ったのでしょうか。
鳥取の意気込みが感じられる補助金!
ちなみに、どのくらいの利用件数があるのかというと、令和2年7月〜令和4年8月の約2年間で
298件
です。
1年で約150件。
決して多くは無いと思いますが、栃木で家づくりをしてる者として、
もっと快適で安全なお家を栃木県でつくりたいと思っている者として、
このような補助金を考えてくれているというだけで、その県の家づくりも変わるのではないかと思います。
ちなみに、一番多いのが「T-G1」で168件、「T-G3」は15件。
「T-G3」については
「こんなにいるんだ!」
というのが正直な感想です。
と言うのも、「T-G3」まで性能を上げるのはなかなか難しいのです。
「T-G1」は、断熱材を多く入れれば勢いで出てしまう性能です。
「T-G2」は、工夫をしてお金をかければ出せる性能です。
「T-G3」は、工夫をして、お金をかけて、悩んで、出せるかな〜、という位出しにくい性能です!
鳥取の皆さんも、頑張っていますね!
何でもかんでも補助金を出せばいいとは思いませんが、意識づけをするのにはとても良い事だと思います。
参考資料
下野新聞:2022年11月26日 論説 栃木発 ヒートショック対策
鳥取県 ホームページ 鳥取で生まれた、健康省エネ住宅