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フランク・ロイド・ライトと言えば、日本では大谷石を使った帝国ホテルが有名ですね。
日本にはそれ以外にも建物が2棟残っています。
その内の一つ、池袋にある「明日館」に行ってきました。
東京へはあまりいきたくかなったのですが、どうしても外せない用がありいくことになったついでに寄ってきました。
桜が満開
車でナビを見ながら細い道を進んでいきます。
すると、突然開けた場所が。
そこは桜が満開でした。
雨の中の桜だったので写真写りはイマイチですが、晴れていたらまたキレイだったでしょうね。
雨の中、ひっそりと
この建物は知らない方も多いかもしれません。
最近は、色々な撮影などにも使われているので、部分的にとかいつの間にか見ていることもあるはずです。
上の写真は、校庭、といったところでしょうか。
元々は女学校でした。
昔の写真を見ると、小学生くらいの子供が勉強をしています。
中央の建物ができたのは大正10年の1921年。
来年で100年になるのですね。
しっかりと立っていますね。
100年経ったとは思えません。
帝国ホテルができたすぐ後に関東大震災が起きて周りの建物が壊れたのに、帝国ホテルは残っていたという話もありますが、構造的にもよく考えて作っているのでしょう。
宇都宮の大谷石は、基礎に使われています
フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを設計する時に「日本の代表する材料は何か?」と考えたのだそうです。
そこで選ばれたのが、宇都宮で取れる「大谷石」。
明日館でも基礎などで多く使われています。
写真に写っている太い柱の下半分が大谷石です。
ほとんど痛んでいないですね。
品質の良い大谷石を選んでいるのでしょうか。
大谷石は、今は基礎などに使われません。
もろい性質もあり、表面が剥がれたりしてしまう事が多いのです。
通路の床にも大谷石が使われていますが、凹みなどもありませんでした。
教室にもデザインが!
ここが教室です。
デザインがしっかりとされていますね。
誰が見てもライトとわかるデザイン、これって凄いですよね。
椅子も、この学校用にデザインされたものです。
ただ、このデザインを実際に誰がしたかはわかっていないようで、基本的にはライトの弟子の「遠藤 新」さんとされています。
天井は思ったよりも高くないのですが、圧迫感などは感じません。
教室の床は木製。
張り替えた部分もありますが、一部はオリジナルを残してあるそうです。
中央ホールからは、満開の桜が見えて
ここが中央にあるホールです。
ここでは毎朝礼拝が行われていました。
この窓のデザインは、ライトの特徴ですね。
幾何学模様ですが、以前は何からインスピレーションを得たのか不思議でした。
以前ここにきた時に、あるヒラメキを得ました。
それは、この窓は木の枝を表しているのではないかと言うことです。
校庭にある桜の木の影と、この模様がなんとなく似ていました。
家の中にいても木漏れ日を感じる事ができる、
そのように考えたのではないかと思っています。
食堂にも、
ここは食堂です。
昼食は、子供達が自分で作っていたのだそうです。
特徴的な照明は、ライト自身がデザインしたものです。
テーブルにある、オレンジ色のポイントが可愛いですね。
ここでは、コーヒーか紅茶、オレンジジュースを飲む事ができます。
カワイイ、クッキーもついてきます。
このデザインで興味が湧くのが、部屋が意外と明るいと言う事です。
中央ホールの裏側にあり、窓も決して多くありません。
もっと、薄暗く感じてしまっても不思議ではない作りです。
照明もありますが、それだけではありません。
明るい効果を出すための窓がこちらです。
天井に付いた窓です。
天井に窓をくっつけていますね。
部屋を明るく見せる場合、無闇に照明を付けたり、窓を付けたりするだけでは効果が出ません。
明るく見せるには、天井や壁、床に光を当ててあげる事が大切なのです。
ミニミュージアム
中央ホールの上、食堂の間にはミニミュージアムがあります。
ここにも大谷石が利用されています。
下の写真真ん中に写っている照明は、見た事がある人もいるかもしれません。
テレビドラマなどにも時々出てきます。
デザインは、もちろんフランク・ロイド・ライト。
「結婚しない男」主人公の建築家 阿部寛の部屋にも置いてありました。
今では、照明メーカーの「ヤマギワ」が復刻として発売しています。
久しぶりに見ましたが、思ったよりも高くて驚きました。
私の方が低いくらいです。
ホコリが溜まりやすそうに見えますが、掃除しやすいように板が外れるようになっています。
欲しい逸品ですね。
廊下の照明にも注目!
廊下の天井にある照明です。
かっこいいけれど、これは復刻していません。
電灯はいつごろから使われたのでしょうか?
調べてみたら、
日本で初めて使われたのは明治12年(1879年)。
国産化のために立ち上げた電球製造会社「白熱舎」ができたのが明治22年(1889年)。
ですので、この建物が立つ頃には電灯は使われていたのですね。
「白熱舎」が、今の「東芝」です。
鹿沼には、東芝の照明を作っている基幹工場がありますが、こちらは昭和47年(1972年)に作られたのだそうです。
外廊下からの入り口ドア
外廊下から入る入り口ドアにも、カワイイ装飾があります。
プレートには「Mañana」の文字が書いてあります。
意味は、「明日・いつかそのうち」だそうです。
この建物の名前でした。
場所は、池袋駅から歩いて10分くらいの場所です。
サンシャイン60とは、駅を挟んでちょうど反対側くらいの場所にあります。
お時間がありましたら、ぜひ見学に行って下さい。
コーヒーか紅茶が付いて600円で見学する事ができます。