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台風が過ぎ去った次の日は、見事な青空になりました。
早速、昨日の現場へ向かいました。
ざっと見回したところ、足場は無事のようです。
上棟前に、土台敷きや1階床合板の工事は終わっています。
それらが少しでも濡れないように、ブルーシートで覆っています。
ブルーシートの中にカメラを入れて点検しました。
中には、ほとんど水は入らなかったようです。
さすがブルーシート、予想以上の効果です。
大工さんも、きっちりと貼ってくれていたのが効いたのでしょう。
軽くて飛んでいってしまいそうな、仮設トイレも無事でした。
少し、濡れてしまった材料もありました。
これらは、点検が必要ですね。
2階床合板も濡れていました。
床合板は、水に強い「特類」
2階床に利用する合板も数枚濡れていました。
どうしても、外で作られている構造体は濡れてしまう事が避けられません。
また、構造としても強くなくてはいけません。
そこで、構造上重要な床に貼る合板は24mmと厚いだけではなくて、水にも強い接着剤を使っている「特類」に分類されている物を使っています。
特類とは
特類とは以下のようにJAS(日本農林規格)で定義されています。
「屋外または常時湿潤状態となる場所(環境)において使用することを目的とした所定の接着の程度を満たす合板」
簡単に言うと、外で利用する事も想定している合板だと言うことです。
他に以下の2種類があります。
1類(タイプ1)
断続的に湿潤状態となる場所に使用する。
2類(タイプ2)
時々湿潤状態となる場所(環境)において使用する。
参考文献:日経ホームビルダー2019年8月号
合板も、このような種類があることを知っておくと良いですね。
窓には、養生
大工さんがつくっている途中の現場にも行きました。
こちらは窓はあるのですが、シャッターが閉まりません。
そこで、ガラスの下地にボードを貼っています。
建築現場には、色々な材料も置いてありますので、特に1階部分は危険なのです。
2階の窓には、養生テープを貼っています。
私共は、よく利用する養生テープ。
今回の件で知った方も多いのでは無いでしょうか。
こちらの現場は外壁を張っている途中です。
さすがに、屋内への影響は全くありませんでした。
まだ、窓がついていない家
上棟して、断熱材までは貼ったのですが、まだ窓がついていないお家もありました。
ブルーシートを貼ってはいますが、中に吹き込んではいないのか心配です。
特に、吹き込んだ形跡はありませんでした
中に入ってみると、予想以上に何も被害のない状況でした。
少しは吹き込みを覚悟していましたが、そのような事もありませんでした。
大工さんも経験を積んでいるのを実感しました。
一部、ブルーシートを貼っていない部分もあります。
それは、軒の下の部分。
庇の効果は大きいのを実感
最近は、軒(屋根を外壁からでっぱらせた部分)が無いお家もよく見るようになりましたが、雨漏れが多いと言われています。
このお家は、しっかりと庇を出しているお家です。
雨の被害が無かったのは、この庇が効果を発揮したと言う事もあるのでしょう。
軒下の石膏ボードも、濡れたりした形跡はありませんでした。
軒が無かったら、今回のようには行かなかったでしょうね。
屋根も無事
もう一つ心配なのが、屋根です。
屋根には、雨漏れ防止に「アスファルト・ルーフィング」と言うシートを屋根材の下に敷きます。
このシートは、基本的にタッカーという、ホッチキスの建築現場版で止めるので、めくれたりしないか心配だったのです。
慎重に、足場を登っていくと、、、、
何事もなかったように、ルーフィングが敷いてありました。
ホット一安心。
「ポタポタ音がする」と電話が!
約10年ほど前に建てたお家の方から、お電話をいただきました。
「昨夜12時頃に、外からポタポタ音がするんです。」
と言う内容でした。
雨漏れを心配されているようです。
私も心配になりよく考えました。
何が原因でしょうか?
雨漏れの場合、音はあまりしません。
このような場合、外で流れている雨水が落ちて音がする事がよくあります。
例えば、テレビアンテナのワイヤーから水が落ちているなどです。
「外部に何かありませんか?」
と聞いたところ
「雨樋が少しずれている」
とのことでした。
多分、雨樋から溢れ出た雨水が外壁や屋根に当たって音が発生したのでしょう。
今までは考えられない気候になる
これからは、今までは考えられない気候になります。
「あの映画『天気の子』、あの時から時代が変わったよね」
と言われるかもしれません。
ここ数年の間にも、かなり気をつけている工務店のおうちで「雨漏れがした」と言う話を聞きました。
「今までは大丈夫」
と言うことは言えない時代になります。
雨に強い家を作るには、シンプルで軒の出た屋根にする事が大切です。
家づくりをする際には、雨対策も気をつけましょうね。