「構造塾」とは、数年前から構造設計を本職としている方が始めた木造建築の構造を学ぶことができる塾です。
通常は、2月に1回のペースで行っています。
1期と2期に分かれ、全部学ぶには2年かかります。
今回は3日間かけて、この2年分を一気に学んでしまう特別講座でした。
2年も待てません!
無視される「4号特例」!
今回の研修も、最初に「4号特例」についての話がありました。
「4号特例」とは、一般的に建てられる2階建ての木造住宅が該当します。
「特例」と言うだけあって、優遇措置があるのです。
その「優遇措置」とは、確認申請(このような家を建てますよ〜と言う申請)を行政に提出する時に、構造計算書を一緒に出す必要が無いと言う特例です。
ここでの問題は「提出する必要が無い」だけであって、計算をしなくても良いわけでは無いと言う事。
ここを都合よくとらえて、計算をしないで建築してしまっている家が、今でも多いのだそうです。
ではどのようにして家を作っているのでしょうか?
「感」で作る家
構造計算をしないで作る家はどのようにして作っているのでしょうか?
よく言えば「経験」です。
「何十棟も建てているから大丈夫!」
と言うような感じですね。
昔の大工さん、のようなイメージかな。
悪く言えば「感」で作っています。
「だいたい、このくらいで良いか!」
うわ!
怖いですね!!
あなたの命、家族を守る家が、今でも「感」で作られているとしたら、あなたはどうしますか?
構造計算
私も、家づくりに「経験」は必要だと思います。
「経験」が「感」になって、問題を防いだこともあります。
しかし、それだけではいけないのです。
一度、計算をし始めると「経験」だけでは不十分だと言うことが痛いほどわかります。
最近では、比較的簡単に構造計算ができる計算ソフトも出てきています。
それらを活用すれば、それ程難しくはありません。
そこで、私も全棟の構造計算をするようにしています。
ここは重要なところでもあるので、必ず私がやっています。
それらの基礎的な事を学ぶのが、今回の「構造塾」でした。
今私が行っている家づくりに大きな間違いはないと言うことも確認できました。
注目されない、構造計算
構造計算はとても重要なのですが、驚いたのは参加者が少なかった事。
先生も、もっと多いと思っていたようです。
それだけ、構造を住宅会社は気にしていないのでしょう。
ここ数年、災害の多い日本です。
まだまだ大きな災害が起きても不思議ではありません。
もっと、良い家づくり、安心して住める家づくりをしている会社が増えると良いですね。