松尾和也先生と男2人旅:ホテリ アアルト Part2:部屋編

ホテリ アアルトの客室までは、親切なボーイさんが案内してくださりました。
このホテルは知っていましたが、情報はほとんど知らず。部屋に入って驚きの連続でした。
その訳とは、、、

部屋までの廊下

部屋までは少し歩くのですが、ここの照明がカッコ良い。ちょっとタリアセンを彷彿させます。照明の下にはFIXの窓があり、昼間は柔らかな光を差し込みます。

ホテリ アアルトは、部屋に行くまでに階段があり、廊下もあります。途中、外に少しだけ出るところがあったりします。

入り口

ホテリ アアルトのお部屋に入って驚いたのが、この手摺。床から天井まで繋がっている手摺です。
存在感はありますが、邪魔にならず使いやすい手摺です。

入り口ドアの横にある箱のような物は、夜食を入れてくれる箱です。声をかけたりせずに入れておいてくれます。

お部屋は広く伸びやか

お部屋は広く伸びやか。気持ちの落ち着くデザインです。

天井の高さは窓上で2.25m。数字だけ聞くと低く感じてしまうかもしれませんが、実際に立ってみるとそんな事は感じません。座ると、よりちょうど良い高さであると実感できます。

ところで、この写真には多くのホテルや旅館で有るものがありません。それは何でしょうか?カーテンです。カーテンが無くても日を遮る工夫がされているのです。その方法は、最後の方でお伝えします。

コーナー窓からは、気持ちの良い景色を見ることができます。

この景色を見ただけで、今回の部屋はこのホテリ アアルトで一番良い部屋ではないかと思ってしまうほどでした。

ベランダ

お部屋には、ベランダがついています。と言っても1階の部屋。窓のような物は網戸です。細かい網戸を利用しているので、全く邪魔をしません。

外を見ながら、ゆっくり休む。ホテリ アアルトの姿です。

ここで松尾先生と写真を撮りました。
松尾先生が着ていてるポロシャツは、今年参加したイタリア南部シチリア島のクラッシックカーレースで頂いた物だそうです。

イタリア南部シチリア島のクラッシックカーレースは、5日間で900kmくらい1960年代のクラッシックオープンカーで走ったそうです。エンジンが止まってしまったりハプニングも多かったとか。初めて押しがけを経験したそうですよ。(押しがけとは、車のエンジンが掛からなくなった時に人力で車を押してエンジンを掛けることをいいます。)

夕刻

ホテリ アアルトの部屋から見える景色は、刻一刻と表情を変えていきます。ずっと見ていても飽きません。

裏磐梯という場所も関係していると思いますが、予想以上に涼しくて虫も少なかったように感じました。

洗面脱衣所とトイレ

なんと、洗面脱衣所とトイレは一緒。

ここでは窓に注目してください。実は、窓の内側にもう一つ格子が入っています。これは、窓を目立たなくするためにわざとやっています。木の板を細かく両側から切り込みを入れて作っています。

他の所でも、このようにして窓を意識させないような工夫がされていました。

部屋風呂も2人で

お部屋のお風呂も温泉というとこで、2人で入りました。広さがあるので余裕で入ることができます。ここもコーナー窓ですね。

カーテン代わりの建具

お部屋を紹介した時に書いた、カーテンが無い窓。どのようにして日を遮るのでしょうか。

日を遮る方法とは、建具が出てくるのでした。それも壁の中から出てきます。

ピッタリ、隙間も無く閉まりました。

引き出す前の建具が仕舞われている場所がこちらです。スッキリとおさまっています。良い仕事をしていますよ。

この辺りの収まりの図面、どうなっているのか見たいですね。それに、建具は反ることが多いので、反らない建具をきっちりと造らなくてはいけません。これだけ温度差、湿度差をクリアできる建具を作ることも難しかったでしょう。

沼を見れるコーナー窓も同じように出来ています。

はい、この通りです。

こちらの建具の下には数段のスリットが有り、少しだけ朝日が漏れてくるようになっています。と言っても、眩しくない程度の絶妙な光の漏れ具合でした。

悩んだ鍵

部屋の鍵がこちらです。なんともクラシカルで良いですね。このホテルに電子キーは似合いません。

この鍵は、丸い方を上にして差し込みます。
ガチャン、と回る手応えがとっても良かったです。

伊礼さんのお家に似ている?

ここまで読んで気がついた方もいらっしゃるかと思いますが、伊礼さんの設計しているお家に似ているところが多いです。

入り口の手摺、コーナー窓、天井高さ、ソファー、、窓の目隠し、他にもたくさん有るに違いありません。

あれ〜、と思って調べてみたら、こちらを設計した益子義弘さんは、東京藝大の名誉教授にもなられた方で、伊礼さんよりも先輩に当たるのですね。

伊礼さんの特徴でもある数々のデザインは、伊礼さんが考えたものかと思っていのですがそうではなさそうです。

今では、岐阜の大橋さんも積極的に取り入れて数々の賞を取っています。

部屋ごとに、デザインや家具も違うそうです。それらを楽しみに宿泊するのも楽しそうです。

勘違いしていたアアルト

最後に白状しますが、私はこの建物(ホテリ アアルト)のデザインにあの世界的な建築家「アルヴァ・アアルト」さんが関わっているのかと思っていました。

同じ名前なんだもん、、、、

アアルトさんは、1976年に亡くなっています。調べればそんなことないとすぐにわかるのですが、単純な思い込みです。いや〜、恥ずかしい。

ただ、全く関係ないわけではさなそうです。
この建物を設計した益子先生はの事を、小池和也さんは以下のように書いています。
「北欧建築デザイン協会の理事でもあってアアルトへの造詣も深いわけで、波としてのアアルト、そしてアルヴァ・アアルトへの敬意も込めた、2つのアアルトに掛かっているわけ。おしゃれです。」

アアルトさんの作品は建物こそ日本にありませんが、照明や家具で見ることができます。

今でも、照明はヤマギワさんでも発売されています。

滞在したいホテル

このホテリ アアルトは、旅の途中で泊まるというよりも、ゆっくりと2〜3泊はして楽しむホテルと感じました。

少し昔を感じさせる作りは、気持ちをゆったりとさせてくれます。

オールインクルーシブなので、飲み物は廊下においてある物を自由に飲めます。

昼間は、新レストランで自由に休んで寛ぐこともできます。もちろんん飲み物フリーです。

近くには、5色沼や、ダリの絵で有名な「諸橋近代美術館」もあります。

猪苗代湖にも近いので、泳ぐこともできますよ。

何よりも、素敵なデザインを、図面や写真で無くて実際に体感できた、私にとってはそれが一番でした。

at hotelli aalto (ホテリ アアルト)

住所:福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073-153

HP:https://hotelliaalto.com

源泉かけ流しの温泉(一部の浴槽は沸かし湯)

宇都宮から、2時間15分程(高速を利用)

参考文献

ホテリ アアルト:https://hotelliaalto.com

小池和也設計室:https://reno.mpl.co.jp/hotelliaalto.php

住宅デザイン学校:https://hsd101.net/report/report-31/

リオタデザイン:https://www.riotadesign.com/blog/170304.html