「気象庁大気環境観測所」CO2(2酸化炭素)を測定している、日本で2ヶ所しかない施設の一つに行って来ました!

「気象庁大気環境観測所」と言っても、分かったようなわからないような。
要するに、気象庁が環境のデータをとっているとことです。

環境のデータなどは、各地にある気象庁でとっているのかと思ったら違っていました。
温度や湿度などは測定しているのですが、最近話題にもなるCO2(2酸化炭素)は各地で測定されていません。

気象庁に聞いたのですが、あくまでも気象庁の立場としては全球的に観測するので、各地まではやっていないのだそうです。

測定していたのは3ヶ所、内1ヶ所は閉鎖したそうなので現在では2ヶ所になっています。

その1ヶ所が大船渡市にあります。
東北に行ったついでに寄って来ました!

測定ポイントに行けるなんて、ワクワクです!

ちなみに、他の2ヶ所は、

  1. 南鳥島
  2. 与那国島

です。
与那国島は、2024年3月で閉鎖したそうです。

気象庁大気環境観測所へ!

気象庁大気環境観測所は、街から離れた場所にあります。車や家庭、工場から出るガスの影響を受けないようにするためです。

ここは、最後の分かれ道。

ここには気象ロケットの打ち上げ施設もあったそうです。
1972年〜2001年3月まで1119機も打ち上げられていたのだとか。

とけっとは3.3m、重さ71kg、100秒ほどで高度60kmまで達し、測定器をパラシュートで落としながら測定していたそうです。

最初はアスファルトの道路でしたが、途中から砂利道に。

雑草などが出っ張っている所も多く、車に擦ってキーキー言うことも有りました。慣れていない人は、行かない事をお勧めします。

ただ、轍ははっきりとしていて砂利とはいえ道路もはっきりとしていたので、車は通っているのでしょう。

気象庁大気環境観測所のゲートに到着!

すれ違えるほどの幅のない道なので前から車が来たら大変だな、と思いながら走っているとゲートに着きました。

この辺りは、なぜかアスファルトが敷かれています。

当然ながら「立ち入り禁止です。

ここに入っていたずらしたり設備を壊したりすると、気象業務法で罰せられるのだそうです。

「気象業務法」と言うのがあるのですね。
気象関係は意外に法律で定められていることが多いので驚くことがあります。

もちろん中には入りません。
気持ちとしては入りたいですが、しっかりしたデータを取るには忍耐が必要なのです。

セコムも入っていましたし。

現在は、無人で観測がされています。

近くには、熊もいるそうなので注意しましょうね。

それでは、本当の目的を開始しましょう!

CO2(2酸化炭素)実測です!

ここに行った理由の一つが、実測をするためです。
そう、CO2(2酸化炭素)の。

前にも書きましたがCO2(2酸化炭素)は各地で測定しているわけではありません。行政でも行っていますが、基準としてふさわしいのは気象庁のデータ。

そこで、気象庁が測定している地点で測ってみたかったのです。

とりあえず、私が持っていたり作った測定器を広げました。

風が思ったよりも強くて、1.1m/sくらい。

上の写真では、車の中で温まっている温度が表示されています。
このままではデータとして使えません。

データを安定させるために30分ほど待ちました。。
その間、お昼を食べて、お昼寝をして。

CO2(2酸化炭素)測定の結果は?

測定している間にも、ある程度値が変わって来ています。

測定開始してから1時間ほど経った測定器の値がこちらです。

後ろの3つと、中程で緑色の帯があるものがCO2(2酸化炭素)を測定しています。

気象庁が発表しているCO2(2酸化炭素)は、約430ppmなので、430ppmが正解となります。

「ZG106 CO2 Minitor」

安定しているのが青い枠のある「ZG106 CO2 Minitor」でした。
常に400ppm辺りを指しています。
価格も一番高く、2万円近くしています。

実際には、430ppmあたりが正解なのですが、少ないのは何故でしょうか。

何年まえか忘れてしまいましたが、購入した時に宇都宮のエスホーム本社裏でキャリブレーションをしました。その時の値を示しているのだと思います。

購入理由は、あの松尾先生がこれに似たCO2(2酸化炭素)測定器を利用していたためです。残念ながら購入時点ではその機種は発売されていないとのことだったので、似ているこちらを購入しました。

センサーは、他の2機種とは違う、少し大きめの物を利用しています。

SwitchBot CO2センサー

2024年の秋にSwitchBoから発売されたのがこちら。
後ろの列の左から2つがそれです。
誤差も知りたかったので、同じ製品を2つ持っていきました。

価格は7980円(税込)と聞くと消費者向けに使われているCO2(2酸化炭素)測定器としては高価に思われるかもしれませんが、CO2(2酸化炭素)センサーは高価なのでこのくらいの価格にはなってしまうはず。

私は、絶妙な価格設定にしてきたな、と思っていました。

計ってみると、413ppmに、493ppm。

CO2(2酸化炭素)は誤差が多く出やすいのですが、それにしても大きすぎかな〜と言う印象です。

もう少し頑張って欲しいですね。

SwitchBotで凄いな〜、と思っていることが一つあります。
それは、たまにバージョンアップがあるのです。
中のソフトを書き換えてくれます。
このような事をしてくれる安価な測定器って珍しいです。
というか、私が持っている中では他にありません。

CO2LとM5stack

真ん中の段の左にある黒いのが「CO2LとM5stack」です。

このCO2LとM5stackは、私がパーツなどを購入して組み立てた物です。
プログラムは、サンプルをそのまま利用しています。

センサーは、スイスのSENSIRION社の光音響採用センサSCD41を使用したCO2(二酸化炭素)センサモジュールです。

スイスのSENSIRION社はセンサー界では有名で、あなたの家でも気が付かないうちに使われていると思います。

ちなみにこのセンサー、単体で購入するとセンサーだけで1万円くらいしてしまいます。高いでしょう。SwitchBot CO2センサーが安いと言った理由には、このような事もあるのです。

さて、実測した結果は?

475ppmと、思ったよりも高い値を出して来ました。う〜ん、、、

最初は良くて430ppmあたりだったのですが私が近づくとぐんぐん上がり始めました。
風が強いので、私の吐いたCO2(2酸化炭素)が原因とは思えません。

3つの測定結果を比べると

3つの測定結果を比べると、ばらつきが大きいことがわかります。

私の机の上に置いてある測定器なのでいつも傾向を見ているのですが、大まかな動きは似ています。

しかし、100ppmくらいの誤差は簡単に出していると考えた方が良さそうです。

CO2のデータは参考になるのか?

各地方の行政でCO2(2酸化炭素)を測定しています。

そのデータは信頼できるのでしょうか?

細かく言うと、微妙です。

たまたま見つけた江戸川区のCO2(2酸化炭素)を見ました。
素晴らしいことに、リアルタイムで公表しています。

2024年12月22日12:47

江戸川区役所     :約487ppm
ホテルシーサイド江戸川:約429ppm

やっぱり、区役所のあたりはCO2(2酸化炭素)が高いんだね、となります。

気になるのは、ホテルシーサイド江戸川のデータです。

2024年12月21日14:26は407ppmになっています。

日本や世界の測定データを見ると、415ppm以上はあるはずなのです。

余計なことかと思いますが、キャリブレーションができていないのかな、と思ってしまいます。

正確なCO2(2酸化炭素)を測ろうとすると、何を基準として良いのかわからなくなってしまう原因はこのようなところにもあるのです。

また、安いCO2(2酸化炭素)の測定器も発売されていますが、CO2(2酸化炭素)専用のセンサーを利用していないものもあるようです。
400ppmとか、平気で安定して示すような測定器を利用するのはやめておきましょう。以前行った飲食店に置いてありました。
気をつけましょうね。

CO2(2酸化炭素)の変化と基礎知識

ちなみに、夏と冬では10ppm程変わります。冬のが多くなるのです。
原因として、夏は植物が頑張ってくれているからのようです。

植物の効果、大きいんですね。

気象庁で発表しているCO2(2酸化炭素)は、1987年から

1987年1月:353.3ppm
2024年1月:429.3ppm

と、37年のうちに76ppmも増えています。平均すると1年で2ppmも増えているのです。

良くない状況が続いています。

最近のお家で、断熱性能を上げるのは、このようにCO2(2酸化炭素)の増加を減らすためでもあるのです。

皆さんの将来への自覚と協力が大切ですね。

そのような事を考えながら、車を擦る草のせいでキーキー言わせ帰りにつきました。

まるで「進撃の巨人」

気象庁大気環境観測所があるのは、岩手県大船渡市三陸町綾里(りょうり)と言う街なのですが、ここがすごかった。

帰り際に見たその景色、写真がこちらです!

わかりにくかもしれませんが、高い防潮堤が湾を囲んで作られています。

ゲートも大きく、津波の際にはいつでも閉められるようになっています。

この迫力に、つい「進撃の巨人」を思い出してしまいました。