ダイキン工場見学で学んだ、快適な住まいづくりのヒント

皆さまこんにちは。今日は、とても興味深い工場見学についてお話しさせていただきますね。

住宅用エアコンで5年連続シェアNo.1を誇るダイキン。そのエアコンが生まれる滋賀の工場を見学する機会をいただきました。松尾先生(住宅業界では有名な省エネ住宅の専門家です)のご案内で、貴重な体験をさせていただいたんです。

工場の広さは甲子園球場の7倍もあるそうです。関西らしい例えですね(笑)。ちなみに、大阪万博で使われているエアコンの7割もダイキン製だそうで、その技術力の高さがうかがえます。

まずはショールームで最新技術に触れてみました

ショールームでは、最新のエアコンモデルが展示されていました。

壁掛けエアコンの風の流れを実際に体感できるデモンストレーションもあり、「こんなに風が遠くまで届くんですね!」と驚かされました。

特に印象的だった2台のエアコンをご紹介しますね。

進化した床置きのエアコン

最近はあまり見かけなくなった床置きエアコンですが、新しくモデルチェンジされたものを見せていただきました。上下2つの吹き出し口があり、それぞれから暖房や冷房の風が効率よく送られる仕組みになっています。

「暖房をしっかり効かせたい」という方には特におすすめですね。お年寄りのいるご家庭などでは、足元から温まる暖房は本当にありがたいものです。

天井埋め込み小型エアコン

こちらは天井に埋め込む小型のエアコンです。見た目は換気扇のようにコンパクトで、高性能な住宅なら十分な能力を発揮してくれそうです。

メーカーでは洗面所やトイレなど2畳程度の小さなお部屋での使用を想定されているようですが、私としては2階の寝室などにも応用できそうだなと感じました。

なんと室外機1台で屋内3台まで対応できるんです。これなら外観もすっきりしますね。

3台のエアコンの説明を受けました

会議室に移動して、3台のエアコンの詳しい説明を受けました。実際に分解して見せていただけるなんて、滅多にない機会です。

アメニティエアコン

天井裏に設置するタイプのエアコンです。普段は見えないので気づかれませんが、実は多くの建物で活躍しています。

松尾先生が特に注目されていたのは、ドレーンパン(結露水を受ける部分)の掃除のしやすさでした。最近、全国的にエアコンの水漏れトラブルが増えているそうで、メンテナンスの重要性を改めて感じました。

分解の様子は圧巻でした。
最後には内部のファンまで取り外され、まるで手術のようでしたね。内部の詳細については、また別の機会にお話しできればと思います。

小型の天井埋め込みエアコンの仕組み

先ほどのショールームで見た小型エアコンも分解して見せていただきました。小さくても基本構造は通常の天井埋め込みエアコンと同じなんですね

ただ、配管工事は通常のエアコンと同様に必要なので、工事費はそれなりにかかってしまうのが悩ましいところです。

床置きエアコンの内部構造

床置きエアコンも大胆に分解されました。最終的にはモーターとスタイリッシュなデザインのファンだけになってしまったのですが、その構造の美しさには感動しました。

床置きなのでメンテナンスがしやすいのも大きな魅力ですね。

エアコンの内部構造は意外とシンプルで、とても合理的に作られていることがよくわかりました。

ガス漏れという深刻な問題

最近増加しているエアコンのガス漏れについても詳しく教えていただきました。

なんと、殺虫剤などに含まれる成分が原因の一つになっているそうです。

ダイキンさんでは、漏れやすい部分に特殊な塗装を施すなどの対策を講じられているとのこと。

私たちユーザーとしては、ドレーンから出る水の色に注意することで前兆を知ることができるそうです。茶色い水が出始めたら要注意のサインですよ。

エアコンの汚れが気になる

松尾先生が長年研究されているテーマの一つが、エアコンファンの汚れです。特に冷房使用時に発生しやすいこの問題について、構造的な解決策を教えていただきました。

簡単に言うと、冷却用のフィン(銀色の薄い板がたくさん並んだ部分)よりも風上側にファンがあると汚れにくくなるということです。冷やされた空気は湿度が高く、ファンを結露させてしまうからなんですね。

「なるほど!」と思いましたが、構造上の制約でそうしたエアコンはまだ少ないのが現状だそうです。

ピチョンちゃんとの出会い

1階のロビーには、ダイキンのマスコットキャラクター「ぴちょんくん」がいました。思わず「スリムですね!」と声をかけてしまいました。頭は大きくて存在感抜群でしたよ。

これからの住まいづくりに向けて

昔のように「○畳用」という表示だけでエアコンを選ぶ時代は終わりました。住宅の性能、間取り、生活スタイルに合わせて、より効率的で快適なエアコン選びが求められています。

今回の見学会を通じて、省エネで快適な住まいづくりのヒントをたくさんいただきました。これからの設計にも活かしていきたいと思います。

ダイキンの皆さま、貴重な機会をありがとうございました。技術の進歩と、それを支える職人さんたちの想いに触れることができ、建築士としてもとても勉強になりました。

皆さまのお住まいでも、エアコン選びの際にはぜひ参考にしていただければと思います。何かご質問がございましたら、お気軽にお声かけくださいね。