2月まで学ばせていただいていた森さんの講義。ついこの間のことのようで、もう4ヶ月も経つのですね。
最近ようやく、あのとき教わったことが現場で少しずつ役立つようになってきた実感があります。
そんな中、新たな学びの場がスタートしました。
その名も「自立循環型住宅 関東ゼミ2025」。

自立循環型住宅 関東ゼミ2025
今回は、空調について改めて基礎から学べる内容です。
日々の実務に取り組んでいると、「これで本当に合っているのか?」「もっと良いやり方があるのでは?」といった疑問が湧いてきます。
また、技術は常に進化しており、新しい知見を取り入れることも大切です。
そうした思いもあり、今回のゼミに参加を決めました。
前回ご一緒した仲間も何人かいて、ちょっとした同窓会のような雰囲気に。
「今回は基礎的な内容ですから簡単ですよ〜」
なんて森さんはおっしゃっていましたが、それは前回の内容をしっかり学んでいればこそ。
基礎とはいえ、初見ではなかなか難しい内容だと感じました。
相変わらず話題が豊富な森さん。今回もまた興味深いお話をいくつか聞かせていただきました。
そのひとつをご紹介します。
東京都とフランスのボルドー、住むならどちらが快適?
ワインの名産地として知られるフランス・ボルドー。
「暮らすなら東京とボルドー、どちらが快適か?」という、ちょっと面白い比較をしました。
この比較には「空気線図」というツールを使います。
温度と湿度、それにエンタルピー(空気に含まれる熱量)をグラフで視覚化できるもので、住宅の快適性を科学的に分析する際に非常に役立ちます。
赤い点が東京、青い点がボルドーです。

東京の赤い点はグラフのあちこちに散らばっており、右上に伸びているように暑くてジメジメした時期もあれば、左下に行くように乾燥して寒い時期もあります。つまり、季節によって快適さが大きく変わるのです。
一方のボルドーは、気温・湿度ともに安定しており、空気線図上の青い点は真ん中付近にまとまっています。
夏はそこまで暑くならず、冬は少し寒いものの適度な湿度があります。
右には「絶対湿度」と言う値が書いてありますが、この絶対湿度が5g/kg〜12g/kg位の間であれば快適と考えられます。ボルドーは、まさにその間に入っているのです。
気候の安定こそ、快適な住まいづくりに欠かせない要素なのだと、あらためて実感しました。
そして、そんな気候が美味しいワインにも関係しているのかもしれませんね。
エアコンの性能を測ってみた
森さんは「測ること」がとてもお好きな方です。
今回のゼミでは、会議室に設置されていたエアコンの性能を実際に計測しました。

やり方はとてもシンプル。
エアコンに吸い込まれる空気と、吹き出される空気の温湿度、それに風量を測定して、冷暖房能力を算出します。
結果は11kW。
そして、エアコン本体に貼られたラベルに表示されている能力も、ちょうど11kW。
見事に一致しました。
「おおっ、すごい!」と一同どよめいたのですが、ちょっと気になった点もありました。
まだ本格的に暑くなる前のこの時期に、すでにフルで能力を発揮しているということは、真夏には少し余裕がないかもしれません。
実は、エアコンは暖房には余裕を持って作られているのに対し、冷房についてはギリギリの設計になっていることが多いのです。
だからこそ、住宅の断熱性能や空気の流れを考慮した設計が重要になるのですね。。
次回は「除湿機のウソ」
次回は、森さんから聞いた興味深いお話「除湿機のウソ」についてお伝えしたいと思います。
日々の暮らしや家づくりにも役立つ内容ですので、ぜひお楽しみに。