軒下の小さな穴、いったい何?実は、お家を長持ちさせるとっても大切な穴なのです!

――家を大切に想うあなたへ、まずは安心して読んでください。ーー

軒天の穴、その穴をふさいでも大丈夫? ――いいえ、絶対にふさがないでください

先日 Facebook でこんな投稿を目にしました。

「軒天の穴が塗装で小さくなっちゃったから、ドリルで開け直してる……」
「いっそ全部埋めても平気だよね?」

もし同じように迷われているなら、止めてください。

その穴は 小屋裏の換気口――家を長持ちさせる“呼吸口” です。
ふさいでしまうと屋根裏に湿気がこもり、構造材を傷め、カビや雨漏りの原因になります。あなたの大切な家を守るために、ここだけは譲れないポイントです。

写真でチェック!

なかなか文章ではわからないと思いますので、写真に矢印を付けました。

外観を損なわないよう目立ちにくいのですが、役割はとても重要。ぜひ一度、ご自宅の軒下を見上げて確かめてみてください。

小屋裏換気を怠るとお家の寿命が縮みます!

この軒天の穴をしっかりと開けておかないとどうなるのでしょうか?
住み始めは何事もなくても、数年後に天井のシミ、水滴、カビ――そんなトラブル報告が建築の専門誌に掲載されています。

実際に私が聞いた話では、栃木県内で年間百棟規模のビルダーが手掛けた住宅でも起きたそうです。

検索で「小屋裏 結露」と調べると、多くの建材メーカーが対策品を出しているほど深刻な問題だとわかります。

法律で決まっていないから要らない?

このような書き込みもありました。
「法律で決まっていないから、無くても良いんじゃないの?」

法律はあくまで“最低ライン”です。法律を守るだけでは、まともな家にはなりません。

建築基準法は、あなたの命を守ることを目的に作られています。
お家の寿命や、結露、雨漏れについては考えていません。

建物の寿命を延ばすかどうかは、私たち専門家がどこまで気を配れるかにかかっています。だからこそ多くの工務店や塗装業者は、国の基準より踏み込んだ対策を行っています。

信頼できる根拠――住宅金融支援機構『木造住宅工事仕様書』

プロが拠り所にしている466 ページにも及ぶ仕様書があります。
その名も「住宅金融支援機構が出している『木造住宅工事仕様書』です。

『木造住宅工事仕様書』には、屋根形状によって違いますが 「天井面積の1/250以上を換気口に」 と明記されています。

開口部だけでなく、屋根裏を空気がきちんと流れる“通り道”を確保する設計も欠かせません。

外壁塗装は「色を塗る」だけじゃない

塗装専門業者でも、家の構造まで熟知しているかは業者次第です。

換気口を塞がない塗り方、必要なら部材を追加して通気を確保する方法――そこまで説明してくれる業者なら安心して任せられると思います。

ポイント

  1. 事前に「軒裏換気はどう扱いますか?」と聞いてみる
  2. 仕様書や数値で根拠を示してもらう
  3. 少しでも不安が残るなら、遠慮なく別の専門家にも相談する

家を長く守るのは、あなたの“ひと声”から

軒下の小さな穴は、家が健やかに呼吸するための大切な器官です。

ネットの「塞いでも平気」という安易な言葉に惑わされず、ぜひ一度ご自宅を確認し、信頼できるプロに相談してください。

また、お家を建てるときには、このような屋根の換気にまで気を遣っている工務店で家づくりをして下さい。

あなたがほんの少し気に掛けることで、10年後、20年後のわが家はずっと健やかでいてくれます。

「家を大切に想うあなたがいるからこそ、家も応えてくれる」
その想いを、私たち専門家も全力で支えます。