今回も、森さんのお話です。
はい、森さんはこの方。

空調設備の設計で建築業界の方に注目されている、大人気の方です。全国で開催されているセミナーは、キャンセル待ちになる程です。
今回のセミナーは、また別な流れで基礎編を皆美ながら応用編を見学する感覚です。
今回見学したお家は、神奈川県でパッシブハウスを実現しました。
パッシブハウスは自然の力を使った空調設備
ところで、パッシブハウスとはどのようなお家でしょうか?
それは、自然の力を使ってお家の中を換気しならが全館空調まで実現してしまう、夢のようなシステムです。
特に、外と建物の中の温度差が大きい冬場に効果が大き下すことができます。だいたい、10℃以上の差は少なくても欲しいところです。
システムはこうです。寒い冬だと思ってください。
1、床下に、冷たい外気を入れる
↓
2、入った空気を温める
↓
3、温まった空気は上昇する
↓
4、上昇した暖かい空気を外に出す
はい、これで空気の循環が完成です。シンプルな構造ですね。
給気がこちら!
外部からの給気口がこちらです。丸いところから冷たい空気が入ってきて、黒い部分で温めて上昇気流を作ります。

サーモで見てみましょう。

給気口が冷えていて、熱源もよくわかりますね。
ここで温められた空気が、下の写真の窓際にあるガラリから排出され上に上がっていきます。とても柔らかい暖かさでした。

排気がこちら!
冬の排気口がこちらです。2階の天井裏にあります。

小さい穴ですが、十分な換気量を得ることができていました。
換気量を測定して確認する森さんです。

このパッシブ換気の特徴の一つは、音がとっても静かなことです。
そうですよね。動いているモーターが一つもないのですから。
住んでいる方がうるさく感じるのは、冷蔵庫の音、などという話があるほどなのだそうです。
夏は、逆に動きます!
夏もパッシブ換気は働きます。しかし、空気の動きは逆になります。
ただし、夏は温度差が小さいので浴室の換気扇を利用して排気しています。
大まかに説明します。
1、上の方にある給気口から、暖かい空気が入ってきます。
↓
2、暖かい空気をエアコンで除湿しながら冷やします。
↓
3、冷えた空気が下に下がっていきます
↓
4、浴室の換気扇から排気されます。
これで、空気が自然に換気されます。
パッシブ換気の注意点
パッシブ換気はなかなか難しいところがあります。安易に真似すると痛い目に会うことになります。注意しましょう。
また、屋内と屋外の温度差が必要です。
秋や春には換気が弱くなります。
法律の換気に利用するには適しません。
実際に利用するには難しい面もありますが、その特性を理解して利用できればとっても良い空調システムになってくれます。
設計者からの説明
私の理解も足りなかった事もあり、設計した高本さんに説明をしていただきました。以下、その内容を転記しておきます。
建物上部の排気口は、夏は給気口として機能します。建物上部の排気口についているアエレコはナイロンリボンの伸び縮みにより乾燥時に開度小、湿気が多い時に開度大となるように働きますので、夏は開度大となり、給気口として機能します。
また、床下給気口は夏(5月中旬〜9月下旬)は閉じてしまいます。
冬:床下給気口開、建物上部アエレコから排気(動力は内外温度差による空気の浮力)、浴室換気扇停止
夏:床下給気口閉、建物上部アエレコから給気、浴室換気扇運転
建物上部から給気、床下からの排気については、内外温度差があれば可能だと思います。
しかしながら冷房運転をし続けた場合でも、6~9月の平均内外温度差は1℃、7~8月も-1℃程度ですので、温度差換気は成立しそうにありません。
そのため夏季は温度差換気を諦めて、浴室等の換気扇を連続運転し上部換気口直下のエアコンで除湿し続けたほうが内部環境にとって良いと考えて運用しています。


