黄色い柱は、断熱が出来ている証拠!

先日の見学会は、おかげさまで大盛況のうちに終わりました。

まだまだ工事中で、1階と2階の間仕切りもないお家でしたが、小さなファンヒーターで暖かくなっていました。

そこで、
この建物はどのように暖かっているのか?
気になったので早速測定してみました。

断熱方法には、大きく分けて2種類の方法があります。

  1. 内断熱
  2. 外貼り断熱

です。

何が違うかと言えば、
内断熱は柱と柱の間に断熱材を入れる方法で、
外貼り断熱は、柱の外側に断熱材を貼る方法です。

全く構造が違いますので、熱の伝わり方も大きく違ってきます。

実際にどのようになっているのか、サーモカメラで見てみましょう!

外貼り断熱は、柱が温まる!

建物の中から、柱や梁を見た写真がこちらです。
天井を見上げています。

それをサーモカメラで見ること、このようになります。

黄色の部分がありますね。
断熱材の内側です。

断熱材の内側にある柱や梁、野縁が黄色くなっています。

断熱材自体は、紫色になっている部分です。

断熱材よりも内側にある物は温められ、断熱材よりも温度が高くなるので、サーモカメラで見ると黄色く見ることができます。

内断熱ですと、このようにはなりません。

柱や梁などの材木から熱が逃げるからです。

内断熱は、柱から熱が逃げる!

では、内断熱の場合、どのようになるのでしょうか?

構造的に似ている部分があるのでそこの写真をみてください。

ここは、土台の部分を撮影した写真です。

サーモグラフで見ると、角の温度が低いことがわかります。

この部分は、内断熱に似た構造になっている部分です。

要するに、内断熱の構造にすると、先に紹介した天井を見上げたサーモグラフのように柱が黄色くなるのではなく、柱の温度はもっと低く表示されるはずです。

同じような断熱方法でも、このように熱の伝わり方が大きく違うのでうす。

材木は、グラスウールの2倍熱を通します!

それでは、材木はどのくらい熱を通すのでしょうか?

参考になるのが熱の伝わりやすさを表す「熱伝導率」です。
値が小さいほど高性能です。

物質の種類熱伝導率(W/mk)
杉・ヒノキ0.100
グラスウール10kg0.050
グラスウール16kg0.038
ネオマフォーム0.020
コンクリート1.630

流通している中で一番良いと言われているのが、当社でも採用しているネオマフォームです。

「杉・ヒノキ」の1/5しか熱を通しません。

1/5と言われても、多いか少ないかわかりにくいかもしれませんが、触ってみるとひんやり感が全然違うので、その性能を感じることができます。

今でも多く使われている「グラスウール10kg」は「杉・ヒノキ」の半分もの熱を伝えています。

コンクリートは「杉・ヒノキ」の16倍の熱を通します。
コンクリート・打ちっ放しの家は、極暑で極寒と言われる理由がここにあります。

実際に断熱の性能を計算するときは、ここに断熱材の厚さを考慮します。
それによって、お家の性能が大きく変わってきます。

「サーモグラフカメラで、黒い部分があるのは危険」の嘘

サーモグラフカメラの見方を念の為お伝えしたいと思います。

報道などで間違った伝え方がされているので、注意してみていただけると嬉しいです、

報道されている内容とは、
「サーモグラクフカメラで紫や黒い部分があるのは危険」
と説明していることです。

サーモグラフカメラの設定によって、表示される色が変わってしまいます。

ですから、黒いからダメではないのです。
報道では、わかりやすく説明しているので、大切な部分を端折っているのですね。

例えば先ほどのこの写真。

表示されている数字について説明します。

  • 16.7:真ん中の温度
  • 18.0:この写真の最高温度
  • 13.6:この写真の最低温度

この3つの数字は、測定しながらどんどん変わるのです。

固定もできますが、うまく表示されなくなることがあるので私は利用していません。

最高温度と最低温度を指定できるカメラもあるのですが、このカメラを購入した当時は非常に高価で、そこまでのカメラを購入しませんでした。

というわけで、
「暗い部分があるからダメ!」
というわけではありません。

覚えておいてくださいね!

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