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今年は、良い建物に出会う機会が多くて幸せです。
と言うわけで、岐阜で活躍されている「Livearth(リヴアース)」さんのお家を見せていただきました!
「Livearth(リヴアース)」さんと言ってもお分かりにならない方も多いと思いますが、プロの間では全国的に有名な会社です。
今回は「シン・リノベ塾」という、リノベーション研修の一環で見せていただくことができました。
と言うのも、「シン・リノベ塾」の塾長がリヴァースの代表でもある大橋さんなのです。
リヴアースさんは、大きな賞を2つも取っています!
大橋さんの学生時代にはバイトして食費を削って海外に行き、建築や美術に触れていたそうです。その時に気がついた事が「名も無き職人が現地の素材で作った物や自然の美しさの方が何倍も魅力を発している」と言う事だったそうです。
大学卒業後建設会社へ就職。
2008年に実家の工務店へ就職しました。リフォームが中心でしたが、仕事が無い時があったり、職人が喧嘩していたりと大変な時期を過ごしたそうです。
そこで、2012年に新築事業部を立ち上げます。まだ、11年前なんですね。
協力業者の開拓や、施工精度の最適化を行い品質を上げていきます。
2014年にはドイツやスイスに行き、エコハウス出会います。
それから5年程、各分野の専門家のもとへ向かいます。伊礼さん、前先生、三澤さん、等などそうそうたるメンバーです。
「日本エコハウス大賞 特別賞」や、2022年には、LIXIL主催の全国住宅コンテストでグランプリを受賞しています。
今回は、そのLIXIL主催の全国住宅コンテストでグランプリを受賞したお家を見せていただく事ができました。
リヴアースのLIXIL主催の全国住宅コンテストでグランプリ受賞作!
そのLIXIL主催の全国住宅コンテストでグランプリを受賞でグランプリを取ったのがこちらのお家です。
実は、大橋社長のご自宅であり、事務所にもなっています。
1枚目の写真の部分は、ご自宅です。
外壁には焼杉を用いています。
ちなみに、サッシはLIXILではありません。キッチンも違っていたりします。LIXIL主催のコンテストなのにLIXILの製品がほとんど使われていないとは、LIXILの真摯的な選考が伺えますね。
玄関へのアプローチ
玄関へは、住宅(左側の黒い壁)と事務所(右側のベージュの壁)の間から入っていきます。
真ん中にある塀のようなものが、まるで沖縄のヒンプンのようです。その理由は、後ほど説明します。
玄関先から、緑が生い茂っていてキレイです。
玄関には大谷石
玄関の床には、大谷石が利用されています。
内部にも大谷石が使われていて、宇都宮市民としては嬉しいですね。
この写真を見ると、壁が凸凹しているのがよくわかると思います。
これが焼杉です。焼杉とは、杉板の表面を焼いた材料です。杉板をそのまま利用する事もありますが、焼杉の方が耐久性があると言われています。表面の炭が落ちてきて良い色になってくるのも特徴です。
実際の使用は難しい面もあり、なかなか利用しているお家を見ることはありません。
事務所の打ち合わせブース
こちらが、事務所の打ち合わせブースです。
ここも床は大谷石!
必要にして十分な広さ。とても快適です。
写真には写っていませんが、右にある窓からは住宅の前にあるお庭を見る事ができます。
左に写っている1.5mくらいの壁の反対側に、社員さんの作業机があります。
リヴアース 大橋さんの机
こちらが、大橋さんの作業スペース。
操作系にもこだわっているのがわかります。
あの、ぐるぐる回すのとか(名前を忘れた、、、)、トラックボールまで。
モニターは、多分LGですね。足が私のモニターと一緒!
周りの棚には花瓶とかが飾ってありました。
ダイニングとリビング
こちらは、住宅棟のダイニング(右)とリビング(左)です。
このお家の特徴の一つが、角角に窓が有る事です。
角に窓を配置することで抜けができ、広々感を味わえます。
ただし、構造的に弱くなる事があるので計画上注意が必要。それを補うために体力も強くしてあるそうです。
窓際にあるカウンターではお子様がお勉強をするのだとか。
コーナーの窓
このお家の最大の特徴と言っても過言でないでしょう。コーナーの窓です。
ものすごくスッキリを収まっていると思いませんか?
左側の窓はFIX(固定)、右の窓は開いている状況です。
窓の上側には、ロールカーテンが隠されています。
美しいですね。
ダイニングの上は吹き抜けに
ダイニングの上は、吹き抜けになっています。
上の窓も、コーナーですね。
食器棚のガラスもキレイなキッチン
こちらがキッチンです。
キッチントップも、木製しています。
私が好きなのは、このガラスが入った食器棚。散らかせないので難儀しそうですが、奥行き感、開放感、透明感、美しさ、それらが備わっていますね。
ちなみに、このキッチンの枠は大工さんが作ったのだそうです。他にも、収納の枠は大工さんが作っています。施工精度は、大工さんレベルではありません。
リビングの外には滝が!
リビングの外を見ると滝がありました!
決して広いお庭ではないのですが、変化がとてもあり楽しいですね。
リビングのソファー
リビングのソファーは造り付けになっています。
右にある肘掛けのような部分は、収納になっています。
ここに横になってテレビを見たり、滝のある庭を眺めることができます。
こちらの天井高さは2100mm。
低いように思えるかもしれませんが、なかなか気持ちの良い高さです。
右の奥にあるのが和室です。
天井高さ1900mmの和室
写真だけだとわかりにくいかもしれませんが、和室です。
この和室、なんと天井高さが1900mmしかありません。大橋さん、攻めましたね。
うわっ!低い!と思われるかもしれません。
実は、茶室の天井高さを見ると1800mm以下しか無い場合もあるのです。それも有名な茶室に。
心を落ち着けるのにとても良い空間でした。
あっ、細かいところは突っ込まないように。わかってやっていますので。
2階がまた良い!
2階の抜け感がまた良かったです。
このように見ると、ここをリビングにしたくなってしまうような雰囲気。2階LDKの良さも味わえる広さです。
私としては、このような空間が好きですね。す〜、としていて。
窓を隠す工夫に格子を!
下の写真を改めて見てください。
窓枠のうるささがないですよね。
すごくスッキリしています。この収まりは、できそうでできないのです。
右にある格子の中には窓が有るのですが、それを隠すために格子をつけています。普通はここまでしません。
良いな〜。
屋根の上にも出れるのです!
2階にある勝手口を開いたところ、屋根に出れるようになっていました。
お〜!屋根の上に出るの大好き!
実は、子供の頃実家の屋根の上に上がって遊ぶのが好きだったのです。一度屋根の上で転んで前転をしてしまい、死ぬかと思った事もありました。それにも懲りずに屋根の上に出ていたのです。
この写真を見て思いついたのが、フランクロイドライトのプレイリーハウス。この延びた屋根と、窓に合わせた外壁の装飾。大橋さんとしては意識していなかったと思いますが、美しさを求めてこうなったのでしょう。
塀は版築
塀は「版築」という工法を用いて作られています。昔から伝わる工法の一つで、法隆寺などでも使われています。
塀の枠を作り、上から材料を入れ突き固めていきます。それがこのような層になります。完成を見れるのは、突き固める作業が終わり、枠を外してからなのでドキドキしたそうです。
趣がある塀で良いですね。
実際にお住まいのお家見学
次に、実際にお住まいになっているお家も見学させていただきましたので、そちらも紹介させていただきます。ただし、屋内につきましては写真の掲載は致しませんので、ご了承ください。
闌の家
ご夫婦でお出迎えしてくださいました。
リビングの床には大谷石が使われていて、奥様に宇都宮から来たことを話したらとっても喜んで下さいしました。
ご夫婦からは、このお家でも生活を楽しまれている事がとっても伝わってきました。
この石は、ご主人が庭に建てたものです。ちょっと不思議な雰囲気です。器用ですね。
霜降りの家
こちらは、鉄骨の建物をリノベしたお家です。
鉄骨の特徴でもある大きくて広い空間を利用したお家になっていました。
東風の家
なんと、ご主人がテレワークをしている最中に見学をさせていただくという強行軍。
そのご主人のテレワークをしている前にある窓からは、キレイなお庭が見えていたのが印象的でした。
と言うわけで、今回の見学させていただいたお家のご紹介はおしまいです。
ところで「あれ〜、なんか見た事があるような気がする」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうなのです。伊礼さんのお家に似ているのです。と言いますか、かなり参考にして作っています。本人も「伊礼○○」と呼んでいる部分があるくらい。
玄関前にヒンプンのような物が、と言ったのもその為です。
でも勘違いしないでくださいね。ちょっとやそっと真似しただけではここまで出来ません。
高いレベルで理解し、自分のモノとして、その精度が出せる職人を集め作る、ここまで出来る人はなかなかいません。
それらを達成したからこその高い評価なのです。
リヴアースの大橋さん、スタッフの皆様方、この度は見学させていただきましてありがとうございました。皆さん、不躾な質問にも親切にお答えいただき、感謝しています。
ところで、岐阜は瓦屋根が多い?
今回は、バスで移動だったので少し高い位置からお家を見ることもできました。
そこで気がついたのがコレ。
それなりに趣がある瓦屋根のお家がとっても多いのです。
それも、まとまって建っています。
残念ながら、栃木県では見れなくなってしまった風景ですね。