今年は一段と暑い夏を過ごすことになりましたね。
こうなるとエアコン頼り。
でも、エアコンって使い方によって消費電力が随分と違ってしまいます。
そこで、前回からの続きで、松尾先生から教わったエアコンの一番効率良い使い方をお伝えします。
エアコンが一番効率良い動きをしているのは40〜60%で動いている時
松尾先生から、エアコンが一番効率よく動かすためには40〜60%で動いているときと教わりました。
そこで
「エアコンの強弱が5段階あれば、真ん中あたりで良いのですか?」
と質問しました。
この考えは、全く違っていました。
エアコンの仕組みを説明します。
基本的に、エアコンで調整できるのは「温度」と「風量」のみです。
「温度」(温度差)は、エアコンのコンプレッサー(室外機)を動かすので、電気をいっぱい使います。
「風量」は、本体の中に入っているファンで調整しますが、ファンを回しているだけなのでコンプレッサーに比べ電気はほとんど使いません。
そこで、エアコンから出てくる熱量の計算を単純に表現すると
「熱量」=「温度差」×「風量」×0.35(空気の容積比熱)
になります。
要するに、エアコンで強弱を調整しているのは「風量」のみなので、風量を調整するだけでは効率までは調整できません。
「温度差」で動く「コンプレッサー」の事も考えなくてはいけないのです。
例えば、
「熱量」=「温度差500W」×「風量20W」×0.35(空気の容積比熱)=3500
- 500Wとは、コンプレッサーを動かすための消費電力
- 20Wとは、ファンを回すための消費電力
になります。(わかりやすく簡略的に書いています)
そこで部屋を冷やそうとして「温度」を10度下げようとして800Wでコンプレッサーが動くと、
「熱量」=「温度差800W」×「風量20W」×0.35(空気の容積比熱)=5600
と、かなり上がります。
今度は、「温度」を下げずに、「風量」を1.5倍に増やしてあげると、
「熱量」=「温度差500W」×「風量30W」×0.35(空気の容積比熱)=5250
となり、温度を下げるよりは少なくなります。
これから、温度差を設定以上に下げようとするよりも、風量を多くして部屋の温度を下げるようにしたほうが効率が良いとなります。
と言う事で、エアコンが一番効率よく動いてくれる「風量」の強さは、「一番強い」なのだそうです。
数年前にはこれの事件が起きました。
エアコンメーカーがエアコンの性能を測るときに、一般には公開していない「最強」モードを隠して作って、それでエアコンのデータを取っていたそうなのです。
「一般の人も使えない最強モード」で測定されたエアコンの性能は実際には使えません。
これはいけませんね。
最近あった、自動車会社の燃費問題のようです。
では、エアコンの風量は、ずっと「強」にしておくべきなのでしょうか?
エアコンの風量は「自動」が一番
ただ、実際にエアコンを「強」だけで動かすと言うのは難しいでしょう。
音もうるさいですし。
そこで、松尾先生曰く「自動が一番良いよ、」だそうです。
それと、温度の設定です。
無理やり下げた温度設定は、電気をいっぱい使ってしまいます。
車のアクセルを踏み込むと、燃費が悪くなりますよね。
それと一緒です。
極端に温度を下げてエアコンを動かすよりも、適度な温度設定でエアコンを動かしてあげたほうが省エネに繋がります。
また、心配して容量の大きいエアコンを付けてあまり動いていないよりも、適度な容量で少しは動いているエアコンの方が効率が良くなります。
大きすぎるエアコンを付けないようにする事も大切です。