これは大変なことになるかも。「建築物石綿含有建材調査者」の資格をとってわかった事。

「石綿(アスベスト)」と言う言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。吸い込みすぎると中皮腫などになり最悪死に至らしめます。そのため制限が厳しくなりました。一定規模以上のリフォームや解体をする時には報告が必要になります。

今回、その報告をするための資格「建築物石綿含有建材調査者」を取ってきました。

2日間に渡り先生の話を聞き、最後に90分の試験を受けます。初めて聞くことも多く、とても勉強になりました。

そして、今年2023年の10月から新しい法律が施行されます。このことにつきましては、多くの方に大きな影響を及ぼす可能性があるので、説明をさ後程せていただきます。

「石綿(アスベスト)」とは、日本の発展に重要な役割を果たした建築材料

石綿(アスベスト)とは、多くの特性を持っていました。特に多く利用されたのが建築関連。記録によると1956年に防火のためでしょうか、吹付で利用されたことが一番古い記録のようです。

元々自然にある物なのですが、それだけでは影響はほとんどありません。

ところが、建築材料に大量に含ませるようになりました。例えば、

  • 耐火被覆の吹き付け
  • 外壁・軒天・屋根
  • 石膏ボード
  • ビニール床
  • 煙突の中
  • 仕上げ用塗り剤
  • パッキング・ガスケット

他にも、様々なところに使われていたそうです。このように考えると、少し古い建物の中には大量にあるのでは無いかと思ってしまいます。

その古い建物に疲れている石綿(アスベスト)が、フワフワと飛んできて肺の中に入り悪さをします。いつ頃その影響が出るのは様々ですが、40年後になることもあるのです。抜けないのですね。

石綿(アスベスト)の検査が必要な工事が多くなる!

昨年から厳しくなり、解体の時とかに検査をしていました。この検査には費用がかかります。大体20万円を超えるくらい。今までは必要なかったのですから、痛い出費ですね。

今年の10月からは、それだけではありません。一定規模以上のリフォーム工事にも検査が必要になるそうなのです。例えば、

  • 80m2以上解体をする建物
  • 建物を改造・補修をする金額が、100万円以上であること

の2つです。

う〜む、特にこの2つ目は厄介ですね。これからは100万円以上のリフォームをする時にも、石綿(アスベスト)を調べなくてはいけないことになってしまうのです。100万円のリフォームというと、お風呂の交換や、キッチンの交換、などなど。それほど大きな工事でもありません。ちなみに、外部塗装だけで解体をしなければ良さそうです。

石綿(アスベスト)が見つかったら、除去が必要!

実は、報告だけで終わりではありません。その後に、除去が必要なのです。危険な物ですから、当然と言えば当然ですね。

建築基準法では、増改築時や大規模修繕・大規模修繕・模様替えのとき、石綿(アスベスト)の除去を義務付けているのです。

大規模修繕・模様替えを行う部分以外の調査も必要になる場合があります。もちろん見つかったら囲い込みか除去となるのでしょう。

ちなみに、石綿は自然界にもある物なので完全に0にはできません。そこ石綿を0.1重量%以上含んでいる場合に対象となります。

下の図は、国土交通省が発表している住宅で使われている可能性のある部位になります。結構使われていますね。

引用「目で見るアスベスト建材(第2版)国土交通省」より

建築時期で、危ない材料を利用しているか推測できる!

現在では完全に使用を禁止されている石綿(アスベスト)ですが、いつ頃の建物に利用されているのでしょうか。歴史から追ってみましょう。

1956年(昭和31年)
:この頃から吹付の石綿が利用され始めました。

1975年(昭和50年)
:石綿を5重量%を超えて含有する吹き付け作業が禁止になります。

・要するに、1956〜1975年の約20年間の建物には多く使われていた可能性があります。

1995年(平成7年)
:石綿を1重量%を超えて含有する吹き付け作業が禁止になります。

・1975〜1995年の20年間の建物にも5重量%のアスベストが利用されていました。

2003年(平成15年)
:石綿を1重量%を超えて含有する建材等の10製品の製造・使用が禁止になります。

・この時点で意図的な石綿含有は無くなりました。

2005年(平成17年)
:石綿の吹き付け作業が全面禁止に(一部残っていた)

2006年(平成18年)
:石綿を0.1重量%を超えて含有する製品の使用等が全面禁止。

2012年(平成24年)
:石綿および石綿を含む製品の製造、使用が全面禁止

となっています。何度も同じように禁止となっているのは、特殊な部位で代替え品が無かったために使用されていました。

このようにみてみると、2003年頃までの建物には色々と使われていそうですね。

中古住宅は安全か?

そこで心配にあるのが中古住宅です。「安心R住宅」と国土交通省でも言って推進しています。

一般的に流通している中古住宅は、20年から40年くらい前に建てられた住宅でしょうか。

と言うことは、今が2023年ですので1983年(昭和58年)〜2003年(平成15年)年頃の家が多く流通しているとなると、リスクが大きいと考えられます。

せっかく購入した家をなおそうとしたら石綿(アスベスト)が出てきてその処分費用がかかってしまう、と言う事になってきます。

今でもそうなのですが、それが一層厳しくなる可能性があります。

購入する際には、宅地建物取引士が説明する重要事項の項目の中に石綿(アスベスト)はありますが、それが合っているとは限りません。

石綿(アスベスト)は健康にとっても脅威ですが、資金事情にとっても脅威なのです。

本当に大丈夫なのか、しっかりと確認をした方が良さそうです。

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