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「日本エコハウス大賞」とは、エコハウスのレベルを高めると同時に、エコハウスを普及するために開催されています。
今回で5回目なのですが、今回で最終回となりました。
と言うのも、エコハウスのレベルがどんどん上がり、一定の成果が出せたためだそうです。
今回は、審査と表彰式に参加してきました。
なかなか経験できないようなイベントでした。
公開審査をするのです。
審査員は、今話題の人が勢揃い。
- 伊礼 智先生
- 松尾 和也先生
- 西方 里見先生
- 三澤 文子先生
- 前 真之先生
断熱・構造・デザインと、最新の勉強をすると必ずこの方達の本を読んだり、勉強会に出たりするような方ばかり。
実際に、私も伊礼さんとは一緒に伊礼さんと建物を見に行った事があります。
スタッフの皆で、長野まで伊礼さんのお家を見に行った事もありましたね。
松尾さんのエコ住宅教室は、エスホームスタッフの多くが行っています。
三澤さんの会社で開催された構造の勉強会は、私と設楽が東京まで通いました。
西方さんや前さんの本は、もちろん読んでいます。
ちなみに、三澤さんは堀部安嗣さんの代わりに出たそうです。
堀部さんは、自分で参加したいから審査員を断ったとか。
堀部さんの話は、今年茨城で聞きましたね。
そのような方達が、一堂に集まった大会ということにも驚かされます。
評価基準は、下記の通り。
なかなか難しいですね。
プレゼンテーション
まずは、プレゼンテーション。
4つの住宅会社や設計事務所が、8分の持ち時間で自分の家の設計コンセプトを説明します。
その後、15分の質問タイム。
写真とか撮ろうかとも思ったのですが、微妙に重い雰囲気でやめておきました。
写真や間取り図だけではなくて、しっかりと温度測定までしているのが印象的です。
エコ住宅ですから、その点が一番気になりますよね。
審査
「審査は、別室で」
という事が多いと思いますが、これは公開審査でした。
公開審査とは、審査員が出品者や見学者の前で意見を言い合って決める方法です。
これは緊張します。
何しろ、今回集まった方達は、どなたも自分の意見を強く持っている方なのです。
この間は、撮影・録音禁止です。
どのような意見が出るかわかりませんし、お施主様に悪い印象を与えてはいけないという配慮からです。
ここ、大切ですね。
まとまるのかな〜、と不安に思いましたが、そこは皆さん大人です。
しっかりと自分の意見を言いつつ、話し合いを進めていきました。
審査には、見学に来た方たちも参加します。
紙とペンが回ってきて、自分が一番いいと思った作品に丸をつけるシステム。
私のところに回ってきた時には、ほとんど決まっている程、1位と2位の差がついていました。
結果発表!
結果発表です。
このあたりで、やっと写真を撮ってもいい雰囲気になりました。
大賞を取ったのは、
茨城県のサンハウス 初めてのエコハウス 水戸の家
審査が始まった段階で、ほぼ決まったような雰囲気でした。
作り方はセオリー通りなのですが、デザインもとても良い。
このように書くと簡単に思えるかもしれませんが、とっても難しいのです。
お施主様の意見を入れつつ、エコハウスのセオリーにのせ、デザインも考えていく。
サンハウウスさんのお家は外構もとてもよくできていて、そちらも褒められていました。
今回はエコハウスの賞ですが、実はエコよりも構造関係を1番に考えているのだそうです。
その理由は「家が人を傷つけてはいけないから」
このような事を、あの場ではっきりと言い切る姿勢も良いですね。
反対に、耐震についてはそれほど力を入れていないと発表した方もいらっしゃいました。
その理由は「家が金物だらけになってしまうから」。
この話を聞いて、真っ先にその方を外した先生もいらっしゃったようです。
リノベーション部門は、まさかのあの人
リノベーション部門もあります。
古民家を断熱改修する事もあるのですが、実際にはなかなか難しい事が多い。
さて、どのような方が受賞されたのかと思っていました。
呼び上げられた名前は、
『松井 郁夫さん』
松井 郁夫さんって、どこかで聞いた事がある名前、
と思ったら、やはりあの人でした。
古民家の改修などの大家。
どちらかというと、審査員側にいても不思議ではない人なのです。
最近も「古民家への道」という本を出しています。
というわけで、受賞の記念写真はよりすごい面々が集まった写真になりました。
このようなところも、この大賞の良いところなのでしょう。
総評
最後には、審査員の一人一人が話をされました。
地域の気候風土を考えた設計
その中で難しかったのが、地域の気候風土を考えた設計です。
栃木県、特に宇都宮などで気候風土を考えた家をつくりたいと言うと、悩みますね。
最近は、どの地域も特徴がなく、似た街並みになってしまっているから余計でしょう。
暑い時期の日差しに注意
特に断熱性能を上げると問題になるのが、夏の暑さ。
前先生などは、特にこの点を指摘していました。
夏をすぎた、9月10月頃に暑いと言う話が多いのだそうです。
松尾さんも、冷房計画をもう少ししっかりすると良いと言っていました。
エアコンは1台で大丈夫なのか?
最近よく聞く「エアコン1台で生活できる家」と言うキャッチフレーズがあります。
それでは、今回のエコハウスはエアコンを1台しかつけていないのでしょうか?
違いました。
少なくとも、2台はつけているようです。
容量的にはできるのかもしれませんが、それ以外の空調設備が必要になったり、思ったほど快適でないとなる事もあるそうです。
空気や温度・湿度は、そんなに都合よく動いてくれないと言う話をよく聞きます。
この点につきましては、まだまだ研究が必要なようです。
これからも色々と勉強して、良い家づくりをしていきます。