
数ある住宅会社のサイトからエスホームへお越しくださり、本当にありがとうございます。
代表取締役の 西村 寛です。
家づくりは、ご家族それぞれの想いと未来への希望をかたちにする大切な旅だと私たちは考えています。400棟を超える住まいをお手伝いしながら、私たちがいつも胸に抱いてきたのは「今日より明日、もっとこの家で幸せを感じていただきたい」という願いです。
安全に守られ、安心して暮らし、四季を通じて快適でいられる――そんな当たり前こそがかけがえのない価値になるよう、「安全・安心・快適」を柱に、動線や収納、そしてデザインの細部まで心を尽くしてきました。お引き渡し後に「エスホームで良かった」と笑顔で語ってくださる声が、私たちの誇りであり原動力です。
これから出会うあなたにも、帰るたびに“ほっと”胸がゆるむ家を届けたい。
そんな想いを込めて、お伝えにくいところもありますが、私自身の経験と学びから生まれた家づくりの歩みを、ここで少しだけ正直にお話しさせてください。
家づくりを学んだ20代
20代の私は、胸いっぱいの好奇心と少しの反骨心を抱えていました。
大学では建築を専攻し、在学中に宅地建物取引士を取得。
「これで第一歩を踏み出せる」と東京の住宅会社に就職しました。そこでは、皆さんのサポートもあり、初年度にと一級建築士の資格を取ることができました。
しかし現場に立つほどに、「図面の先にいるご家族の顔が見えにくい」ことに違和感を覚えるようになりました。やがて両親からの呼びかけで栃木に戻り、父の経営する工務店で4年間、家づくりに携わります。
ところが、父と私は同じ家づくりでも視線の先が微妙に違いました。
意見のすれ違いは次第に大きくなり、30歳手前での退社を決断しました。
豊な生活を知った30代

父の会社を辞め、30代に入った私は無職のまま。
「一度は海外で暮らしてみたい」という長年の想いを実行に移し、オーストラリアとニュージーランドで合わせて一年半ほど生活しました。
知らない土地で、さまざまな国籍の仲間と旅やシェアハウスを営む日々――そこには日本の常識では測れないほど質素でありながら、驚くほど生き生きとした暮らしがありました。
豪華な家具や最新設備がなくとも、朝の光を浴びてテラスでコーヒーを飲み、休日は仲間と手づくりの料理を囲む。
「暮らしを楽しむ力」は、モノの多寡ではなく、住まいが人の気持ちにフィットしているかどうかで決まる――そんな心地よい衝撃が、私の中に深く刻まれました。

帰国後は大手住宅会社のリフォーム部門で数多くの“築年数を重ねた家”と向き合いました。
屋根の傷み、結露による柱の腐食、動線と収納の不備で不便を抱えるご家族……「家はこんなに傷むのか」と実感すると同時に、似たようなミスを繰り返す建築会社の多さに愕然としたのです。
新築ばかり手がける側には、家が10年、20年後にどう変わるかを体感する機会が少ない――だからこそ“長く快適に住む設計”が後回しになりがちなのだと痛感しました。
もし私がもう一度注文住宅を手がけるなら、お施主さまに同じ思いをさせたくない。
海外で学んだ“背伸びしない豊かさ”と、リフォーム現場で得た“家の寿命を延ばす視点”を掛け合わせて、
「贅沢ではなく、本当に暮らしやすい家」をお届けしよう――
この決意が、エスホームの原点になっています。
家づくりの闇を知る

母の体調不良をきっかけに、生まれ故郷の鹿沼へ戻った私は、思いがけず「競売物件の再生・販売」という仕事に携わることになりました。
住宅ローンの返済に行き詰まり、家族の大切な住まいが手放されてしまう――それまでは遠い世界の出来事と思っていた現実が、栃木でも決して珍しくないことを知り、胸が締めつけられました。
ある日、競売にかかった家へご挨拶に伺うと、玄関先でお母さまの後ろに隠れ、涙をこらえながら私を見上げる小さな女の子と目が合いました。その不安そうな瞳に、「家を失う」という事実がどれほど大きな痛みを生むのかを突きつけられたのです。

夜逃げ同然で空き家になった現場も目にしました。せっかく建てた家なのに、返済に追われて貯金もできず、家族旅行もあきらめ、笑顔さえ消えてしまう――そんなご家庭が少なくない現実を前に、「なぜこんな悲しい連鎖が起こるのか」と問い続けました。
調べていくうちに浮かび上がってきたのは、無理な資金計画を承知で契約を急がせたり、契約後に大幅な追加工事が発生したりと、住宅メーカー側の都合でお客様を追い込む構図です。しかも、それが地元の小さな会社より、規模の大きな企業で頻発している事実に言葉を失いました。
「あのご家族にとって、本当に必要な家だったのだろうか」。悔しさと同時に芽生えたのは、「住宅業界は決して不幸な家族を生み出す産業であってはならない」という強い信念でした。新築は“完成”ではなく“スタート”――住み始めてからも心から生活を楽しめる家こそ、本当に価値のある一棟だと確信した私は、資金計画から収納計画までトータルに寄り添う家づくりを追求し始めました。
今でも初回のご相談では、将来のライフイベントや趣味、万一のときの備えまで一緒にシミュレーションします。お客様が長い年月をかけて育む暮らしを守るために、最初の資金計画こそ何より大切――そう考えるようになった原点が、ここにあります。
東日本大震災から学んだことは、家の本質でした

40代になり、仕事も順調に動き始めた頃。
2011年3月11日
――未曾有の震災が東日本を襲い、数えきれないほどの暮らしが一瞬で引き裂かれました。
がれきの中で途方に暮れる方々を前に、私は南相馬や石巻へ何度も足を運び、支援物資を届け、肩を寄せ合って言葉を交わしました。家を失ったご家族、家があっても戻れない方々と向き合うなかで胸に湧き上がったのは、「家とは何だろう」という根源的な問いです。
避難所で交わした「早く自分の家に帰りたい」という切実な声が、答えを導いてくれました。家とは、帰ることのできる唯一無二の場所。安心して帰れる強さがあってこそ、笑顔や思いやりが守られる。
そう再認識した私は、構造の安全性を誰よりも厳しく担保することを自らに課しました。エスホームでは多くの工程をスタッフに託していますが、構造確認だけは私自身が必ず担当しています。お客様の大切な命を守る要となる部分に、決して誤りは許されないからです。
震災の後、お施主さまから「西村さんが『揺れたら家の中が一番安全』と言ってくれたので、本当にその通りにしました」と感謝の言葉をいただきました。その一言が、家づくりの責任と重みを改めて胸に刻みました。
いまも私は毎年クリスマスに東北へプレゼントを送り続けています。被災地で触れた想いと教訓を忘れず、「安心して帰れる家」を一棟一棟に込める――それが、私たちエスホームの揺るぎない使命の一つです。
日本で一番死亡率が高いのは栃木でした

50代になり、新聞の片隅に載った一行が目に留まり、私は思わず息をのみました。
「栃木県は、季節間の死亡率格差が全国で最も大きい」――冬に脳卒中や心疾患で命を落とす方が多いという事実でした。
思い返せば、中学時代にお世話になった恩師も、真冬の浴室で突然帰らぬ人となりました。
あたたかいリビングから冷え切った脱衣所へ移動する際の急激な温度差が、尊い命を奪う原因になり得ると知り、胸が締めつけられる思いでした。
原因を探ると、栃木は昼夜の寒暖差が激しい気候にもかかわらず、住宅の断熱性能が十分でないケースが多いことが浮かび上がりました。
断熱性能をただ高めれば良いという単純な話ではありません。性能を追求するほど建築コストは上がり、結果的に「快適な住まい」を諦めざるを得ないご家族が増えてしまう――そんな本末転倒は許されないと感じました。
そこで私たちエスホームは、栃木の環境を調べ厳しい冬でも家じゅうの温度差を最小限に抑えつつ、できる限りコストを上げない方法を徹底的に探りました。
断熱材の配置や窓の選定、空気の流れを考え抜いた設計、そして地域特有の気候データを生かした暖冷房計画。
試行錯誤の末にたどり着いたのは、「安全」「安心」「快適」という三つの柱を、価格面で無理なく叶える家づくりです。
私たちの家づくりは、規格住宅ではなく完全注文住宅にこだわっています。ご家族の暮らし方や将来設計は十人十色。だからこそ、動線・収納・デザインに至るまで丁寧にヒアリングを重ね、ご要望に合わせて一棟ごと最適解を導き出します。それでも価格が大幅に跳ね上がらないよう、施工手順の最適化を重ね、規格住宅と大差ないご予算で実現できる体制を整えました。
「冷え込む夜も安心してお風呂に入り、朝は陽だまりのリビングで深呼吸できる――そんな当たり前を守りたい」。住まい手の健康と家計、そして心のゆとりを同時に支えられる家づくりこそ、私たちの使命の一つだと信じています。
どうか安心して、あなたとご家族の想いをお聞かせください。エスホームは、これまで培ってきた経験と工夫を注ぎ込み、「帰るたびにあたたかさを感じる家」を必ずかたちにいたします。
HouseではなくHomeを目指した家づくり
最後に、私の胸に深く刻まれている映画『オズの魔法使い』の一節をご紹介させてください。
長い旅の終わりに主人公ドロシーがつぶやく
“There is no place like home.”
「お家はかけがえのない場所」と訳されるかと思います。
ここで使われている “home” は 家本体を指す“house” とは違います。
単なる建物ではなく「帰ると心がほどける場所」「大切な人を思いやる家」を指しています。
私たちが目指すのも、まさにそんな Home です。
外観の意匠や間取りの工夫を大切にし、その先にある
「仕事で遅くなった日のため息がふっと消える瞬間」
「冬の朝でも子どもが裸足で駆け回れる安心感」
「ふとした会話ににじむ家族への思いやり」。
そうした日常のぬくもりが積み重なってこそ、家は真に「かけがえのない場所」へと育ちます。
もしこの挨拶文を読んでくださっているあなたが、「ただ住むための家ではなく、心の拠りどころとなるHomeをつくりたい」と感じてくださったなら、ぜひその想いをお聞かせください。
エスホームは、あなたとご家族が大切にしている価値観に丁寧に寄り添い、一緒に“Home”をかたちにする旅に並走いたします。