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暑い夏がしばらく続きますね。そこで必須なのがエアコンです。もう、危ないからエアコンを使いましょう!というのが今の時代。昔は電気代がもったいないからと利用を躊躇していた方も多かったのですが、そうも言っていられなくなりました。
しかしながら、エアコンを使うとどうも体がダルくなるという方も少なくないでしょう。私も昨年まではそうでした。何しろ室温が気付けば25度以下というのも珍しくありませんでしたから。
また、ご主人が暑いと室温を下げようとすると奥様が寒いと室温を上げて、家庭内紛争が勃発!というご夫婦もいるでしょう。余計に暑くなりますよね。
男女が感じる温度差で厄介なのは、家庭内だけではなくて事務所でも起こるという事です。エスホームでもご多聞にもれず、夏は揉めていました。
ところが、今年はエアコンの冷房に対する感じ方がガラッと変わったのです。それは、エアコンの利用の仕方が大きく変わったから。
松尾先生が推奨している室温は、28度
エコハウスの指導を受けている松尾先生がお勧めする室温は「28度」。んっ!それって暑いんじゃないの?と思いますよね。
ところが、28度でも涼しく過ごすことが出来るのです。正直、私も昨年までは半信半疑でした。
例えば「労働基準局安全衛生部労働衛生課」では、令和4年1月31日に「事務所衛生基準規則の一部を改正する省令案 概要」を出しているのですが、「事業者が空気調和設備を設けている場合の、室の気温の努力目標値について、18度以上28度以 下とすること。」と書いてあります。
要するに、基準として定められている室温として28度は最低限なのです。最低限なので、実際には暑いことも少なくないでしょう。
以前も書きましたが、気象庁の表をみると、28度以上は厳重警戒に入っていきます。
実際に、エアコンメーカーとかでも28度を推奨と言っていますが、普通の利用方法で暑く感じてしまっている方が多く、もっと室温を下げている方が多いのではないでしょうか。
エスホームでのエアコンで快適実験!
そこで、暑い夏のエアコンの使い方を再考しようと思い、松尾先生に教わったことを応用したところ、とっても良い結果が出ましたので、ここでその方法をお伝えします。
その結果、今年のエスホーム事務所はただ冷やして暑さを凌ぐ事がなくなりました。
昨年までは25度よりも低いような冷え冷えの事務所だったのですが、今年は少し室温を高めにしてグンと過ごしやすくなりました。
キンキンに冷やしていないからか、体への負担も少ないように感じます。体のダルさも感じにくくなりました。
大切なのは、湿度の管理!
では、その方法をお伝えします。
室温は今まで何度も書いてきましたが、28度が基準になります。
ここで行うのが、湿度のコントロールです。湿度を下げてください。
湿度の下げ方は、エアコンの「除湿」を利用してください。今まで除湿の機能はあまり使わなかったと思いますが、活躍してくれます。
どのくらいまで湿度を下げるのかというと、相対湿度で45%以下まで。
この除湿が快適空間を作るためのキモになります。
室温だけで力技的に冷やそうとしてしまうと今と変わりません。
最初は慣れないかもしれませんが、 室温28度、相対湿度45%というのは、多くの方がちょうど良く感じる室温です。湿度は、もっと下げていただいても結構です。
洗濯物用の除湿機もありますが、あれは効率が悪く電気代UPに繋がるのでエアコンを利用しましょう。エアコンでしたら水を捨てる手間もありません。
相対湿度で45%というと乾燥し過ぎとお考えになるかもしれませんが、絶対湿度で見ると過乾燥までは行きません。ご安心ください。
ここで、絶対湿度という言葉が出てきました。次にこちらを説明します。
相対湿度と、絶対湿度
相対湿度とは、空気の中に含まれている水蒸気圧の比率を表しています。
単位は「%」です。
絶対湿度とは、空気の中に含まれている水蒸気圧の重さを表しています。
単位は「g/m3」または「g/kg」となります。
今の建築業界では、環境を考えるときに相対湿度よりも絶対湿度で考えることが多くなってきています。
例えば、冬に加湿器とかの湿度を見ると結構高いのに乾燥していると感じることはありませんか?相対湿度はなんとなく感覚と違っているところがありますよね。
絶対湿度は、その室温ごとにどのくらいの水蒸気が含まれているのかを表しているので、人が感じる感覚に近いと言われています。
うまくかなかい場合は、これらを試してみて!
エアコンや建物の性能によってはうまくいかない場合もあります。基本的には、ある程度の断熱性能と気密性能は必要です。と言っても、最近の一般的な住宅であればできるかと思います。
最初から「除湿」で湿度を下げようとしても下がらない
暑い部屋に帰って、除湿にしても室温が下がらなく、湿度も下がらない場合があります。その際には、「除湿」でなくて「冷房」からスタートしましょう。
除湿の性能や機能もエアコンの機種によって違っているので、どのようにすれば湿度を下げられるのかは試してみて、あなたのお家にあった使い方をしてください。
窓は閉めてください!
どこかの窓を開けている方がいらっしゃいますが、外の湿気が中に入ってくるので乾燥せず効果が出ません。
逆に、蒸し暑く感じてしまいます。
「隣の部屋だから窓を開けておく」というのも上手くいかない原因の一つです。ドアを開けたときにワサっ!と湿気が入ってきます。
なるべく、家全体の室温を湿度を調整するイメージを持ちましょう。
部屋の湿度は、なるべく低く
部屋の湿度が元々高いと効果が出るまで少し時間がかかるかもしれません。
その際には、数日単位で試してみてください。
屋内で運動をする方は調整を!
屋内で運動とかお料理をしている方は少し暑く感じます。
その際には室温を下げるなどの調整をしてください。
28度で涼しく感じる今回の方法は、体を動かすことが多い方には適しません。
エアコンのフィルターを掃除して!
経営者の集まりで「エアコンが効かない!」と問題になったことがあります。私も見たところまだ新しいエアコンでした。そこで調べてみたら、エアコンのフィルターに埃がびっしり!エアコンの効きが悪いと思ったら、フィルターを点検、清掃しましょうね。
エスホームの打ち合わせブースも快適になりました!
写真は、事務所の打合せブースです。室温が28度、絶対湿度11g/m3。
涼しいくらいです。
実際にお客様にも体感していただいているのですが、28度なのに少しヒンヤリ感を感じるくらいなので、みなさん驚かれます。
エスホームのスタッフも、この室温が当たり前になってきています。暑いと言う人がいなくなりました。
ダイキンのエアコンは、機能で持っていた!
自宅では、ダイキンのエアコンを利用しているのですが、測定を始めて凄い機能に気がつきました。
それが「快適自動」運転です。
このモードでエアコンを動かすと、室温28度、絶対湿度12g/m3辺りを維持してくれます。これは便利です。
私は「自動」とか「AI」とかいう言葉には随分と騙されて来たので信じない派なのですが、この機能は利用するようになりました。
もうここに住み始めて数年経つのですが、今まで気がつかず。
エスホームの事務所では三菱のエアコンを利用しているのですが、このように室温と湿度を自動で調整する機能は持ってくれていませんでした。グレード的には良いものを付けているのですが。
あなたがお使いのエアコンの機能を調べてみると良いですよ!
ぜひ、この湿度調整の方法で、快適に夏を乗り切ってください!
お家が快適で外出しなくなっても、体力が落ちないように対策はしっかりとしておきましょう。
参考文献
気象庁:「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3.1 2021年6月3日
厚生労働省・労働基準局安全衛生部労働衛生課:
「事務所衛生基準規則の一部を改正する省令案 概要」令和4年1月31日