プロの建築家も勘違いしている人が多い、家づくりの際に考えておきたい乾燥を防ぐ方法!

寒い冬、乾燥は嫌ですね。私も乾燥が苦手です。特に喉を痛めやすいのです。本当に、加湿器を背負いながら外出したいくらい。事務所では、私が移動するところには必ず加湿器を持っていくことにもなっているくらいです。

ところで、湿度が100%なのに乾燥している気がすると感じたことはありませんか?

はい、あなたの感覚は合っています。100%でも、実際にはそれほど空気の中に水分が含まれていないことがあるのです。

この原理は、空気線図を見ていただければわかります。少し難し目に見えるかもしれませんが優しく説明しますので、じっくりと読んでくださいね。また、簡単に説明するためにわかりやすい言葉を使います。若干技術書などとは違うところもありますが、その辺りはご了承ください。

温度と、空気に含まれている水分量の関係

まず知っていただきたい事は、気温によって空気中に含まれる水分量が違っているという事なのです。

下の空気線図をみるとなんとなくわかってくるかと思います。横軸は気温℃、縦軸が空気中に含まれる水分量になります。

赤い線が、ビヨ〜んと伸びていますね。これが、空気の中に含める水蒸気の限界です。何が言いたいのかというと、気温が低いと空気中に含むことができる水分量が少なくなってしまうのです。気温が上がれば、空気中に含む事が出来る水分量が増えていきます。

温度によって空気中に含む事ができる水分量が変わるのは、空気の体積が変わるためです。空気の温度が上がると大きくなるので、その分多くの水分を含めると考えて大きな間違いはないでしょう。

それでは、気温毎にどのくらいの水蒸気が含まれているのか見てみましょう。

0℃、100%のお部屋に、実際にはどのくらいの水分があるのか?

こちらが、空気線図に0℃、100%の水分が含まれた時です。

この時、空気中に含まれている水分量は 3.77g/kgです。

0℃の時には、最大でも3.77g/kgの水分しか含む事ができません。

では、気温が20℃の場合は、どの位の水分を含む事が出来るのでしょうか?

20℃、100%のお部屋に、実際にはどのくらいの水分があるのか?

このグラフが、20℃、100%のお部屋に含まれている水分の量を空気線図に落としたところです。随分と上の方に行っていますね。

この時、空気中に含まれている水分量は 14.70g/kgです。

0℃の時には、最大でも3.77g/kgの水分しか含む事ができませんでしたが、20℃にもなると、14.70g/kgの水分を含むことが出来ています。同じ100%の湿度でも、気温が20℃上がることで約3.9倍もの水分を含んでいるのです。

人の体や喉は100%の湿度ではなくて、実際に含まれている水分量に影響されます。そのため、気温が低いとどんなに頑張って加湿をしても空気中の水分量を増やす事ができず「100%なのに乾燥している、」と感じてしまうのです。

ちなみに100%を超えた水分を加湿器などで加えた場合、どのようになるのでしょうか。それは結露です。窓や壁が水浸しという経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

0℃100%まで冷えた空気を加湿せずにそのまま20℃まで温めた場合、20℃の湿度は26.1%にしかなりません。これは加湿をしていないため起きる現象で、含まれている水分量が一緒なためです。

部屋を乾燥させない、大切なポイント

部屋を乾燥させないポイントはいくつかありますが、その一つを今回のことから説明いたします。

冷える部分を作ってしまうと、下記のような3つの現象が起きてきます。

  1. 冷える部分を作ってしまうと、そのあたりの空気に含むことの出来る水分量が減ってしまい結露を起こしてしまう。
  2. 結露を起こせば空気中に含まれた水分が水になる。
  3. 水になれば、空気中の水分が減る
  4. 水は空気中に戻ることなく、どこかに流れていく。

これでは、いくら加湿しても冷えた部分で水に戻ってしまいます。

そこで、部屋を乾燥させないポイントは、冷える部分を減らし結露を極力無くすということなのです。

冷えやすい窓や、建具をなるべく冷えない製品にしたり、2重サッシにすることが大切です。

「結露はしていないのだけれど、乾燥する気がする」という方もいらっしゃるでしょう。結露する温度(露点温度)は結構高いものです。目視ではわかりにくいのですが、目で見えない程度で結露しています。その結露が乾燥を進ませるのです。