大量の写真でお送りしてきた「山邑家別邸 ヨドコウ迎賓館」ですが、今回で最終回です。
家族寝室:3階
こちらは家族寝室です。どのように休んでいたのでしょうか。
今は書斎のように作られています。展示してある家具は、復元したものです。
右にある窓は、次に紹介する婦人室へ繋がっています。
天井の出っ張りがなぜあるのか、一緒に行った大橋先生も不思議がっていました。上は、食堂の段とあたりでしょうか。
この部屋の窓から見える景色が、こちらです。
う〜ん、奥行きが感じられるデザイン、とでも言いましょうか。
ちなみに、ここよりも広い寝室が別にあります。
婦人室:3階
婦人室は、先ほどの家族寝室の隣で、少し高い位置にあります。ちょうど家族寝室で人が立っている時に、婦人室では座っていると話しやすいくらいの高さです。
寝室:3階
一番広い寝室です。一番西側(山側)にあります。
先に紹介した応接室や和室よりも少し奥にあります。
寝室も、天井に小窓を作っていますね。これが特徴的で微妙に外を感じさせてくれます。昔は、夏の暑さ対策だったのかもしれませんね。
廊下:3階
廊下も特徴的です。こちらは、寝室側から和室側を見た廊下です。天井に出っ張りが。フラットではなく、奥行きを感じさせてくれます。
食堂:4階
一番上の階でもある4階にあるのが食堂です。ある意味、一番こだわった作りと言えるかもしれません。
家族やお客様との食事を大切にする、そのような気持ちが伝わってきます。
この下に見えるような装飾が良いですね。
厨房:4階
こちらが厨房(台所)です。ここもおしゃれな窓ですね。外観を意識して作ったのか、内観からのデザインなのか。
釜戸などはありませんでした。当時としては高価な電気製品が使われていたとのことですので、加熱も電気でしていたのかもしれません。
バルコニー:4階
食堂からは、バルコニーへ出ることができます。バルコニーからは、付近が一望できます。時にはここで食事をしたり、招いた人に振る舞ったりしたのでしょうか。
バルコニーから山邑家別邸 ヨドコウ迎賓館を見ます。
こちらにも大谷石が象徴的に使われています。
ちなみに、このバルコニーで皆んなで写真を撮ろうとしたのですが、こちらの人に人数を伝えたところ、止めて欲しいと言われたそうです。そうですよね。
バルコニーの手すり高さは82cmとかなり低めです。現在の建築基準法では110cm以上ないといけません。
実際に立ってみると、バルコニーが広いでの危険性はほとんど感じることはありませんでした。
裏口
山邑家別邸 ヨドコウ迎賓館には、裏口があります。多くは使用人が利用したのでしょう。ところが、この裏口へのルートがなかなか面白いのです。少し狭くて奥深くて。
こちらが裏口です。受付があったり、立派に作ってありますね。
大谷石
最後に、大谷石の使い方について気がついたことを書いてみます。
大谷石は、お客様などを招くような重要な場所に利用したようです。家族の部屋などですと暖炉などの一部にしか利用されていません。
帝国ホテルのようなお客様をお招きする建物には大谷石を多用しています。
当時の大谷石の価値はわかりませんが、それだけフランクロイド・ライトも気に入っていたと言うことなのでしょう。
初めて行ったのですが、時間の関係もあり駆け足で見たので見逃したところも多数あったかと思います。
それでも、見どころがたくさんありすぎでした。
感じた事として、日光金谷ホテル、金谷カッテージ・インに似ているところがあるなと思いました。高さ周りや作り、廊下の作り方や天井の下がり具合など。
フランクロイド・ライトも1905年に金谷ホテルを利用しているそうです。
もしかして、栃木県の建物に影響されていた、なんて考えてしまうのは栃木県びいきすぎますでしょうか。
3回に分けてお送りしてきましたが、また行ってみたいですね。大橋先生も、3回行った頃から冷静に見れるようになったとおっしゃっていました。
それほどまでに、刺激的な建物でした。